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「治療期間が長引く人」の共通点と対策|矯正が予定より伸びる理由とは?

医院ブログ 2025/12/06
名古屋西矯正歯科クリニック 平澤建太朗

矯正治療を始める際、多くの患者さんが気にするのが
「治療はどのくらいで終わりますか?」
という期間の問題です。

しかし、実際の臨床では、
「予定より長引いてしまう人」と「予定通り・むしろ早く終わる人」がはっきり分かれます。

同じ装置を使っていても、似た歯並びでも、治療期間に大きな差が出るのはなぜなのでしょうか?

本記事では、矯正治療が長引いてしまう人に共通するポイントと、今日からできる改善策を“患者さん目線”でわかりやすくまとめました。

治療を短く、効率よく進めるにはどうすればいいのか——
その答えを、できるだけ具体的にご紹介します。


■ 1. 治療期間が長引く人に共通するポイント

◆ ① 装置の「使用時間」が守れていない

特にマウスピース矯正で圧倒的に多い原因です。

マウスピースは 1日20〜22時間装着が必須ですが、

  • 食事で外す時間が長い
  • つい入れ忘れる
  • 痛くて外したままにする

などの理由で、実質装着時間が15時間以下になると、治療は確実に遅れます。

ワイヤー矯正でも、

  • ゴムかけ(顎間ゴム)
    をサボることで進行が止まることがあります。

→ 対策

  • スマホで装着タイマー管理
  • 食事後は“歯磨きセットと一緒にアライナーを置かない”
  • ゴムは習慣化アプリでリマインド
  • 装着時間を医師と共有して調整

「装置の使い方」は治療期間に直結します。


◆ ② 歯の移動速度が遅い体質

個人差ですが、骨の硬さ・代謝・年齢により歯の動きやすさが変わります。

例えば…

  • 骨密度が高い人
  • 40〜50代以降の成人
  • ホルモンバランスの影響
    こうした要因で動きがゆっくりになることがあります。

→ 対策

  • 歯の動きを助けるデバイス(バイブレーションなど)
  • 運動・睡眠で代謝を上げる
  • 偏った食生活を見直す
  • 骨代謝に必要なビタミンDを適量摂取

体質は変えられませんが、動きやすい環境を整えることは可能です。


◆ ③ 歯磨きが不十分でトラブルが多い

矯正中は汚れが溜まりやすいため、

  • 歯肉炎
  • 虫歯
  • 歯周炎
    が起こると、治療を止めて口腔管理を優先する必要があります。

1〜2ヶ月治療がストップするケースもあり、これが治療期間を大きく押し延ばします。

→ 対策

  • ワンタフトブラシで装置周囲を丁寧に
  • フロス・歯間ブラシは必須
  • 月に一度はプロケアを受ける
  • 腫れやすい人は電動歯ブラシ+殺菌うがい薬を併用

“歯磨きの丁寧さ=治療期間の短さ” と言っても過言ではありません。


◆ ④ 歯ぐきが腫れやすい生活習慣

歯ぐきの状態は見た目以上に歯の動きに影響します。

以下は動きを鈍らせる原因です:

  • 睡眠不足
  • 喫煙
  • ストレス
  • 口呼吸

特に口呼吸は、歯肉炎・乾燥・舌の姿勢不良を招き、治療のブレーキになります。

→ 対策

  • 深い睡眠を確保
  • 口呼吸→鼻呼吸へ
  • 喫煙者は禁煙で治療スピードUP
  • 舌の位置を「上あご」へ(MFT)

矯正は意外にも生活習慣と密接に関連しています。


◆ ⑤ 装置の破損や来院忘れが多い

  • ワイヤーが曲がる
  • ブラケットが外れる
  • アライナーを失くす
  • 来院間隔が開きすぎる

これらは大きな遅延につながります。

→ 対策

  • 通院は必ず予約通りに
  • アライナーは予備ケースに即収納
  • 装置の異常はすぐ連絡

治療は“医師と患者の二人三脚”。
来院間隔が守れると治療がスムーズに進みます。


◆ ⑥ 顎間ゴムの協力度不足

顎間ゴムは、噛み合わせを作るうえで主役とも言える工程。
これを怠ると、噛み合わせが全く作れず治療が止まります

→ 対策

  • ゴムを常に持ち歩く
  • 食後には“ゴム交換”を習慣化
  • スマホの習慣化アプリを活用

実は、治療終了が遅れるトップ原因のひとつが“ゴムかけ不足”です。


■ 2. 治療が予定より早く終わる人は何が違う?

治療がスムーズな患者さんには共通点があります。

  • 装置の使用時間を守る
  • ゴムかけが正確
  • 清掃が丁寧
  • 来院を忘れない
  • 生活リズムが整っている
  • 気になる症状は早めに相談

「協力度が高い人」は治療期間が短くなる傾向が強く、予定通り・予定より早く終わることも珍しくありません。

■ 3. 今日からできる“治療を短くするための行動チェックリスト”

□ アライナーを20〜22時間つけている

□ ゴムかけを毎日決まった時間に行う

□ ワンタフト+フロスで清掃できている

□ 口呼吸になっていない

□ 通院間隔が守れている

□ 装置の違和感はすぐに相談している

□ 睡眠・ストレス管理を意識している

この7つを守れるだけで、治療期間は確実に短くなります。


■ 4. 矯正治療は「短さ」だけが正解ではない

もちろん、矯正治療は短ければ良いわけではありません
“見た目だけ整って噛めない” 矯正は意味がなく、
大切なのは 正しい位置に、安定した噛み合わせを作ること

しかし、

  • 不要なストップ
  • 協力度不足による遅延
  • トラブルによる後戻り
    など、「防げる遅れ」を避けることはとても大切です。

治療期間を短くし、仕上がりを良くする最大の秘訣は、
“患者さん自身の協力が治療を動かしている” と理解すること。

これを意識できる人ほど、治療は順調に進みます


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参考文献

・Proffit WR, Contemporary Orthodontics(歯の移動速度と治療期間)
・Melsen B, Biological aspects of orthodontic tooth movement
・日本矯正歯科学会:治療協力度に関する臨床指針

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