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ブラックトライアングルができやすい人の特徴──矯正中・矯正後に多い“すき間”の原因を徹底解説

医院ブログ 2025/12/01
名古屋西矯正歯科クリニック 平澤建太朗

歯列矯正を検討している方、または治療中の方のなかには、
「矯正後に歯と歯の間に三角のすき間ができた」
という悩みを耳にしたことがあるかもしれません。

この“歯ぐきの三角のすき間”は ブラックトライアングル と呼ばれるもので、矯正歯科でも非常に相談の多いトラブルのひとつです。

実は、ブラックトライアングルは 誰にでも起こるわけではなく、できやすい人には明確な特徴 があります。
そしてその多くは、治療前に予測できるものです。

この記事では、ブラックトライアングルができやすい人の特徴、原因、予防法まで分かりやすく解説します!


1. ブラックトライアングルとは?

ブラックトライアングル

歯と歯の間には通常、歯間乳頭 と呼ばれる三角形の歯ぐきがしっかりと入り込み、すき間を埋めています。
しかし何らかの理由で歯ぐきが下がったり、歯の形や位置が変わったりすると、この歯間乳頭が十分に満たされず、
黒い三角形のように見えるすき間=ブラックトライアングル ができます。

審美面だけでなく、

  • 食べ物が詰まりやすい
  • 空気が漏れて発音しにくい
  • むし歯・歯周病リスクが高まる
    など、生活面でも不便が生じます。

2. ブラックトライアングルが“できやすい人”の特徴

以下に該当するほど、ブラックトライアングルができるリスクが高くなります。

① 歯ぐきが薄い

歯ぐきには「厚みのある歯肉タイプ(厚生歯肉)」と、「薄い歯肉タイプ(薄生歯肉)」があります。

薄い歯肉タイプの特徴

  • 歯ぐきが薄く繊細
  • 歯根が透けて見えることがある
  • 歯肉退縮が起こりやすい

薄い歯肉タイプの方は、わずかな刺激でも歯ぐきが下がりやすいため、ブラックトライアングル発生リスクが高めです。

特に、矯正で歯が大きく動く場合、歯ぐきが下がる可能性があります。

② 歯の形が“細長い”・三角形に近い形をしている

歯は同じように見えて、実は生まれつき形が違います。

ブラックトライアングルができやすい歯の形の特徴

  • 歯冠が細長い
  • 歯ぐきに近い部分が細い
  • いわゆる「三角形の歯」

このような形の歯は、歯と歯の接触点が上の方(歯の先端側)にあるため、
歯間乳頭が入り込むスペースが大きくなりやすく、ブラックトライアングルができやすくなります。

③ 歯周病・歯周炎がある

歯周病が進行すると、歯を支える骨が減少し、歯ぐきが下がります。
すると歯間乳頭が十分に存在できず、ブラックトライアングルができやすくなります。

特に注意したいポイント

  • 40代以降で急増
  • 喫煙習慣があると進行しやすい
  • 歯周病治療後にもすき間が残ることがある

矯正を行う前に、歯周病がある場合は必ず治療しておく必要があります。

④ 歯列不正が大きい(特にガタガタ・重なり)

歯並びのデコボコが大きいほど、矯正で歯を並べた際に“重なっていた部分”の歯ぐきが下がり、
ブラックトライアングルが生じやすくなります。

特にできやすいケース

  • 下の前歯が重なっている
  • 歯が大きく捻じれている
  • 狭いスペースに無理して生えている

これらは矯正中の変化でブラックトライアングルが発生しやすいとされています。

⑤ 年齢が高い(20代後半〜)

年齢とともに歯肉や骨は自然に下がってきます。
20代後半〜30代以降の矯正では、
ブラックトライアングルができるリスクが若年層より高くなります。

特に

  • 生活習慣(食いしばり・喫煙)
  • 歯周組織の状態
    が影響します。」

⑥ 歯ぎしり・食いしばりが強い

強い圧力が歯と歯ぐきに繰り返しかかることで、
歯肉退縮が進行し、ブラックトライアングルができやすくなります。

歯ぎしり習慣がある方は、歯のすり減りに加えて、
歯ぐきのダメージも蓄積しやすいのが特徴です。

⑦ 歯の生え方(骨の厚み)が薄い部分に歯が位置している

特に下の前歯は、骨の厚みが非常に薄い方がいます。
こういう場合、歯を動かすことで骨のサポートが弱くなり、
歯ぐきが下がりやすくなります。

矯正で「歯が外側へ動く場合」は特にリスクが高く、
矯正医が事前にCTで判断する重要ポイントです。


3. ブラックトライアングルを“予防”するには?

ブラックトライアングルは完全に防ぐことが難しいケースもありますが、
次のような対策でリスクを大幅に下げることができます。

① 清掃を丁寧に行い、歯周病を防ぐ

  • 正しいブラッシング
  • フロスや歯間ブラシの習慣
  • 歯科での定期クリーニング

歯周病による歯ぐきの退縮はブラックトライアングルの王道原因のため、予防が最も大切です。

② 矯正前の診断で“薄い歯肉”や“骨の厚み”を把握

歯科用CTで骨の厚みが分かるため、

  • 動かせる量
  • 動かし方
  • リスクの高い部位
    を把握したうえで治療計画を立てることが可能です。

③ 歯ぎしり・食いしばり対策

ナイトガードで歯ぐきへの負担を軽減できます。

④ 歯の形を整える処置

三角形の歯の場合、
コンポジットレジンによる形態修正 で接触点を広げ、すき間を目立ちにくくする方法もあります。
矯正後に行うことが多い処置です。


4. ブラックトライアングルは治せるのか?

程度により対応方法が異なります。

  • 軽度:歯の形の調整(レジン)
  • 中等度:歯肉のボリュームを増やす処置
  • 重度:歯周外科(歯肉移植)

「必ず治る」わけではないものの、
審美改善の選択肢はいくつか存在します。

まとめ

ブラックトライアングルができやすい人には、

  • 薄い歯ぐき
  • 三角形の歯
  • 歯周病
  • ガタガタの歯並び
  • 年齢
  • 歯ぎしり
  • 骨の厚みが薄い
    といった特徴があります。

矯正を始める前に、これらを知っておくことで、
「どれくらいリスクがあるのか」
「どう予防していくべきか」
を適切に判断できます。

気になる方は、歯科医院で歯肉や骨の状態を詳しく調べてもらいましょう。
正しい知識と予防で、ブラックトライアングルの発生を最小限に抑えることができます。


歯並びでお悩みの方はお気軽にご相談ください^^

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参考文献

Tarnow DP. “The effect of interproximal distance on the presence of the interdental papilla.” J Periodontol.

Choquet V, et al. “Factors influencing the presence of interproximal papilla.” Int J Periodontics Restorative Dent.

日本歯周病学会ガイドライン

Kokich VG. “Esthetics: the orthodontic-periodontic-restorative connection.”

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