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【歯列矯正】リテーナーの使用をサボると本当に後戻りするのか?

医院ブログ 2025/12/06
名古屋西矯正歯科クリニック 平澤建太朗

歯列矯正を終え、美しく整った歯並びを手に入れた後、多くの方が安心してしまいがちなポイントがあります。それが 「リテーナー(保定装置)の装着習慣」 です。


矯正歯科医は必ず「後戻りを防ぐためにリテーナーを使い続けてください」と説明しますが、実際には「数日くらい外しても問題ないだろう」「仕事が忙しくて夜だけ付けていない」「旅行中忘れた」など、サボってしまう人が少なくありません。

今回は、リテーナーをサボると本当に後戻りするのか?
後戻りしやすい人の特徴、どれくらいの期間で変化が出るのか、元に戻るのを防ぐ方法まで、専門的な知識をもとに解説します。


リテーナーをサボると後戻りは“確実に”起こる

矯正後の歯は、表から見える以上に不安定です。歯が新しい位置で骨に固定されるまでには「数年単位」の時間が必要で、特に矯正装置を外した直後は、リテーナーなしでは簡単に元の方向へ動いてしまいます。

後戻りは“必ず起こる生理現象” であり、リテーナーはその現象を抑えるための唯一の手段です。

■ なぜリテーナーをサボるとすぐに後戻りするのか?

① 歯を支える骨がまだ固まっていない

矯正で歯が動くと、その周囲の骨は柔らかくなり、徐々に新位置に合わせて再形成されます。
しかしこのプロセスには時間がかかり、最初の半年〜1年が特に不安定です。

② 舌や唇の癖の影響を受けやすい

舌癖(舌で前歯を押す癖)、噛みしめ、頬圧など、無意識の力は日常生活で常に発生します。
リテーナーがないと、この力がダイレクトに歯を動かします。

③ 歯は一生動く

加齢、噛み合わせの変化、歯周病の度合いなど、歯を動かす要因は一生続きます。
つまり、矯正後も歯はずっと “動きたがる” のです。


■ どれくらいサボると後戻りするのか?

これは人によって差がありますが、臨床的には以下のようなケースが多く報告されています。

● 2〜3日装着しなかった → リテーナーが少しキツい

初期の後戻り。装着時間を増やせば戻ることが多いです。

● 1週間装着しなかった → 入らない or 激痛

この時点で歯の位置が変わってしまっている可能性が高く、元に戻せないこともあります。

● 1カ月放置 → 明らかに歯並びが変わることも

特に前歯のねじれは戻りやすく、元の状態に近づいてしまうことがあります。

● 数年放置 → 再矯正が必要になるケースも

リテーナーを完全にやめてしまった人の約30〜50%が、後戻りで再治療を検討しているという報告もあります。


■ 後戻りしやすい人の特徴

・舌突出癖がある

(例:発音時に舌が前に出る、無意識に前歯を押している)

・口呼吸の習慣がある

鼻呼吸ではなく、口呼吸で息をしてしまう方は要注意です。口呼吸は出っ歯になりやすく、後戻りを引き起こしやすいです。

・もともとの歯並びが強いガタガタだった

捻転(ねじれ)が大きい歯ほど、戻ろうとする力が強いです。

・加齢によって下の前歯が重なりやすい体質

・夜の食いしばり・歯ぎしりがある

これに当てはまる人は特にリテーナーを丁寧に使う必要があります。


■ リテーナーをサボってしまった時の対処法

① 入るなら“フルタイム装着”に戻す

キツさがある程度なら戻せる可能性があります。

② 入らない場合、無理にはめない

破損の原因になります。歯医者に相談を。

③ ワイヤー固定式が外れた場合は即受診

1日放置でも動き始めることがあります。


■ まとめ:リテーナーは「最終治療」ではなく「維持のための一生のパートナー」

リテーナーは単なるアフターケアではありません。
整えた歯並びを一生維持するための最重要アイテム です。

矯正は「動かす治療(1〜3年)」よりも、「維持する治療(半永久)」の方が大切。
サボるほど後戻りの可能性は確実に上がります。

努力して得た美しい歯並びを守るため、今日からまたリテーナーを大切にしましょう!


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参考文献

Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics.
(後戻りと保定の生理学を詳説する代表的教科書)

Little RM. The irregularity index: a quantitative measure of mandibular anterior alignment. Am J Orthod.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/1062216/
(下顎前歯は後戻りしやすいことを示した古典的研究)

Thilander B. Orthodontic relapse and stability. Semin Orthod.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/11070559/
(矯正後の安定性とリテーナーの必要性についての総説)

Rossini G et al. Effectiveness of orthodontic retainers in preventing posttreatment relapse. Prog Orthod.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26443214/
(固定式・可撤式リテーナーの効果を比較)

Renkema AM et al. Effectiveness of 10-year retention protocols. J Dent Res.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26400342/
(長期保定の必要性を示した研究)

American Association of Orthodontists (AAO). Retention Guidelines.
https://www.aaoinfo.org/
(矯正専門医向けの公式保定ガイドライン)

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