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【オープンバイト】開咬をそのまま放置すると影響はあるのか?

医院ブログ 2025/11/17
名古屋西矯正歯科クリニック 平澤建太朗

「口を閉じても前歯が当たらない」「麺類が噛み切れない」
そんな症状がある場合、開咬=オープンバイトの可能性があります。

開咬とは、奥歯が当たっているのに前歯の上下にすき間ができて噛み合わない状態のこと。
見た目の問題だけでなく、咀嚼・発音・顎関節・呼吸にも悪影響を与えます。

軽度なら気づかれにくいですが、放置すると次第に悪化し、
顎関節症や顔貌の変化につながることもあります。


1. 開咬が起こる原因

開咬には「歯の位置」によるものと「骨格」によるものがあります。
また、生活習慣や癖が深く関与するケースも少なくありません。

① 舌癖や口呼吸などの習慣

  • 舌で前歯を押す癖(舌突出癖)
  • 飲み込み時に舌が前に出る
  • 口呼吸が習慣化している

これらは、歯列に絶えず圧をかけるため、前歯が前方に押し出され、開咬を助長します。

特に子どもの場合、舌や口の使い方が未発達なため、
癖がそのまま歯並びに影響します。

② 指しゃぶり・長期間のおしゃぶり

乳幼児期に長く続いた指しゃぶり・おしゃぶりも、
上の歯列を前に押し出し、開咬を引き起こす典型的な原因です。

③ 骨格的な要因

遺伝や成長の過程で、
上顎または下顎が垂直方向に長く成長しすぎることで骨格性開咬が生じます。

この場合、

  • 顎関節の位置
  • 咀嚼筋のバランス
  • 顔の縦長化
    など、全体的な顎の成長パターンが関係しているため、
    矯正だけでなく顎の発育コントロールが必要になることもあります。

④ 奥歯の噛み合わせバランスの崩れ

奥歯の高さや噛み合わせのズレによって、
前歯が接触しなくなるケースもあります。
特に、片側だけで噛む習慣があると、咬合平面の傾きが生じやすくなります。


2. 開咬を放置すると起こるリスク

「食べづらいけど生活に支障はないから…」と放置するのは要注意です。
開咬は放っておくと次第に全身へ悪影響を及ぼします。

① 咀嚼力の低下・消化不良

前歯で食べ物を噛み切れないため、
奥歯ばかり使うことになり、噛む効率が悪化します。
その結果、

  • 食事時間が長くなる
  • 消化器官への負担増
  • 顎関節や筋肉の疲労

といった問題が起こります。

② 顎関節症・筋肉痛

奥歯ばかりに負担がかかると、顎のバランスが崩れて顎関節症筋緊張性頭痛の原因になります。
また、エラの筋肉(咬筋)が発達し、顔がゴツく見えることも。

③ 発音障害(特にサ行・タ行)

前歯の間から空気が抜けるため、
「サ・タ・ナ・ラ行」が聞き取りにくくなるケースもあります。
お子さんでは特に発音発達の遅れにつながることがあります。

④ 顔貌の変化(口が閉じにくい・面長)

開咬が進行すると、

  • 口が閉じづらい
  • 唇が開きっぱなし
  • 顔が長く見える

といった特徴的な顔つきになります。
このため、審美面のコンプレックスにもつながることが多いです。


3. 開咬の治療法

治療法は、原因と年齢によって大きく異なります。

① 小児の場合:成長を利用した治療(1期矯正)

成長期には、顎の成長を正しい方向に導く矯正治療が可能です。

  • 上顎拡大装置
  • 機能的矯正装置(バイオネーターなど)
  • MFT(口腔筋機能療法)で舌・口唇の使い方を改善

この段階で正しい習慣を身につけることで、
将来的に抜歯や外科手術を避けられる場合もあります。

② 成人の場合:歯列矯正または外科矯正(2期治療)

成人では、成長が止まっているため、

  • マウスピース矯正(インビザラインなど)
  • ワイヤー矯正
    で上下の歯の位置関係を整えます。

骨格的な開咬が強い場合は、外科的矯正(顎変形症手術)が必要になることもあります。
この場合、骨格を正しい位置に修正してから、歯列を整えます。

③ 舌癖・口呼吸へのアプローチ

矯正だけでなく、
舌や呼吸の使い方を改善しないと歯は後戻りしやすくなります。

  • MFT(舌・唇のトレーニング)
  • 鼻呼吸の習慣化
  • 姿勢の改善(前傾姿勢は開咬を助長させる)

これらを併用することで、機能的に安定した噛み合わせを維持できます。


4. まとめ:開咬は「癖+噛み合わせ+成長」の複合問題

開咬は、単なる歯並びの問題ではなく、
舌の動き・呼吸・骨格バランスが深く関わっています。

放置すると、噛む・話す・呼吸するなど、
「日常生活の基本動作」に影響が出ることもあります。

早めの相談と正しい治療で、
見た目だけでなく機能的にも健康的な口元を取り戻しましょう。


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参考文献

  1. 日本矯正歯科学会. 「開咬(オープンバイト)の治療」 https://www.jos.gr.jp/
  2. Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics, 6th ed., Elsevier, 2018.
  3. 山下喜久. 「骨格性開咬の診断と治療方針」日矯歯誌, 2020; 79(2): 145–156.
  4. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 「歯並びと噛み合わせ」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  5. 日本口腔筋機能療法学会. 「MFTと歯列不正の関係」, 2023.

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