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食いしばり・歯ぎしりと矯正の関係 咬筋への負担を減らし、健康で美しい噛み合わせへ

医院ブログ 2025/11/22
名古屋西矯正歯科クリニック 平澤建太朗

気づかぬうちに「歯を食いしばって」いませんか?

集中しているとき、寝ているとき——
無意識に歯を強く噛みしめてしまう「食いしばり」や「歯ぎしり」

放っておくと、

  • 歯がすり減る
  • 顎関節症を起こす
  • フェイスラインがゴツくなる(咬筋肥大)
    など、見た目にも機能にも悪影響を及ぼします。

実はこの“食いしばり・歯ぎしり”は、噛み合わせや歯並びのズレとも深く関係しています。
そして、矯正治療によってその負担を軽減できるケースも少なくありません。


1. 食いしばり・歯ぎしりが起こる主な原因

▷① ストレス・緊張による無意識の噛みしめ

現代人の多くが抱える「TCH(歯列接触癖)」は、
意識していない時間に上下の歯を接触させてしまう習慣のこと。

通常、歯は安静時に「1〜2mm」離れていますが、
TCHがあると1日のうち何時間も噛み締め状態になり、
咬筋や顎関節に大きな負担がかかります。

▷② 噛み合わせのズレ

歯並びや噛み合わせが正しくないと、
特定の歯や筋肉に負担が集中し、
そのバランスを取ろうとして食いしばりや歯ぎしりが起こりやすくなります。

特に以下のようなケースは要注意です:

  • 片側でしか噛めない
  • 前歯が当たらず、奥歯だけ強く当たる
  • 出っ歯や受け口など骨格的なズレがある

こうした状態では、顎が本来の位置からずれ、筋肉が常に緊張状態に。
「顎が疲れる」「こめかみが痛い」といった症状が出やすくなります。

▷③ 睡眠中のブラキシズム(歯ぎしり)

睡眠中は無意識に強い力で歯をこすり合わせることがあり、
その力は体重の2〜3倍(最大約100kg)にもなるといわれます。

この力が偏って加わることで、
歯列が徐々に変形したり、歯が揺れる、欠ける、知覚過敏などを引き起こすことも。


2. 食いしばり・歯ぎしりと矯正の関係

矯正治療は、見た目を整えるだけでなく、
噛み合わせのバランスを整えることで筋肉の負担を減らす効果があります。

① 噛み合わせの均等化で筋肉負担を軽減

上下の歯が正しい位置で均等に当たるように調整することで、
特定の筋肉だけに力が集中するのを防ぎます。

結果、

  • 咬筋の張り(エラ張り)軽減
  • 顎の疲労感改善
  • 食いしばりの頻度減少

などの効果が期待できます。

② 顎の位置を正すことで顎関節へのストレスを軽減

矯正では、顎の骨格バランスも考慮して歯を動かします。
これにより、顎関節が安定した位置に収まるようになり、
関節や筋肉へのストレスが減ります。

特に「下顎が後方に押し込まれている」タイプでは、
顎関節に負担がかかりやすく、矯正で改善が見込まれます。

③ 歯ぎしりによる歯の摩耗・移動の抑制

矯正治療後のリテーナー(保定装置)には、
歯の位置を安定させるだけでなく、
睡眠中の歯ぎしりから歯を保護するナイトガード的役割
もあります。

そのため、矯正後は歯ぎしりによる摩耗を防ぎながら、
安定した噛み合わせを維持しやすくなります。


3. 食いしばり・歯ぎしりを悪化させないためのセルフケア

① 意識的に「歯を離す」習慣をつける

リラックス時、上下の歯は触れないのが正常。
唇は閉じて、歯は離す」が合言葉です。
パソコン作業中やスマホ使用時は特に意識しましょう。

② 就寝時はナイトガードの使用を

睡眠中の歯ぎしりが強い場合は、歯科医院で作製するマウスピース(ナイトガード)が有効。
歯の摩耗防止だけでなく、筋肉の緊張緩和にもつながります。

③ ストレッチ・温熱で筋肉をほぐす

咬筋や側頭筋のマッサージ、ホットタオルなどで筋肉をリラックスさせましょう。
また、首や肩のストレッチも有効です。

④ 噛み合わせのチェックを定期的に

矯正治療中・後は、歯が動く過程で噛み合わせが微妙に変化します。
定期検診時に調整してもらうことで、筋肉や関節への負担を最小限にできます。


4. まとめ:矯正で「噛み合わせの質」を整えることが根本改善につながる

食いしばりや歯ぎしりの原因は、ストレスだけではなく、
噛み合わせのアンバランス顎の位置のズレが関係していることが多くあります。

矯正治療によって、
歯列・顎・筋肉のバランスを整えることで、
咬筋への負担を減らし、見た目も機能も健やかに保つことができます。

「力を抜いてもリラックスできる噛み合わせ」こそが、
本当の意味での健康的な歯並びです。


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参考文献

  1. 日本顎関節学会. 「顎関節症とブラキシズム」 https://www.jstm.gr.jp/
  2. 日本矯正歯科学会. 「咬合と顎関節の関係」 https://www.jos.gr.jp/
  3. Okeson JP. Management of Temporomandibular Disorders and Occlusion, Elsevier, 2019.
  4. Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics, 6th ed., Elsevier, 2018.
  5. 厚生労働省 e-ヘルスネット. 「歯ぎしり・食いしばり(ブラキシズム)」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/

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