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【小児矯正】治療を始めるベストタイミングはいつ?年齢別に見るメリット・デメリット
「うちの子、歯並びが少し気になるけど、もう矯正したほうがいいの?」
「まだ乳歯だから様子を見ても大丈夫?」
保護者の方が最も悩まれるのが、“矯正を始めるタイミング”です。
実は、子どもの矯正は「早ければ早いほど良い」わけでもありません。
成長段階によって得られる効果や治療内容が異なるため、
お子さまの年齢・歯の生え変わり・骨格の発育状態に合わせた判断が大切です。
本記事では、年齢別の矯正の特徴とメリット・デメリットを、わかりやすく解説します。
目次
1. 小児矯正には「Ⅰ期治療」と「Ⅱ期治療」がある

まず、小児矯正には大きく分けて2つのステージがあります。
| 区分 | 治療時期 | 主な目的 | 対象年齢 |
|---|---|---|---|
| Ⅰ期治療 | 永久歯が生えそろう前(6〜10歳) | 顎の成長誘導・歯列拡大・癖の改善 | 小学校低〜中学年 |
| Ⅱ期治療 | 永久歯が生えそろった後(12歳以降) | 歯の位置の微調整・審美改善 | 中学生〜高校生 |
Ⅰ期は「土台づくり」、Ⅱ期は「仕上げ」の段階。
それぞれの時期には明確なメリットとデメリットがあります。
2. 乳歯列期(3〜6歳)に始める場合
🟢 メリット
- 口呼吸・舌癖・指しゃぶりなど悪習癖を早期に改善できる
- 顎の発達を促し、将来的な抜歯リスクを減らせる
- 鼻呼吸の習慣が身につき、姿勢や発音にも好影響
🔴 デメリット
- 乳歯の段階では本格的な歯の移動はできない
- 成長変化が大きく、長期的なフォローが必要
- 子どもの協力度によって効果が左右される
🩵 まとめ:歯そのものよりも、呼吸・舌・顎の成長の「環境づくり」に最適な時期。
3. 混合歯列期(6〜10歳)に始める場合(Ⅰ期治療)
最も多くの子どもが矯正を始めるのがこの時期です。
🟢 メリット
- 顎の成長をコントロールでき、抜歯せずに歯を並べられる可能性が高まる
- 永久歯が正しい位置に生えやすくなる
- 上下の顎のバランスを整え、将来的な外科矯正を防げる
- 成長期を利用するため、治療効果が高い
🔴 デメリット
- 成長が止まるまで継続的な通院が必要
- 永久歯の生え変わりで、一時的に噛み合わせが不安定になることも
- 将来、Ⅱ期治療(仕上げ)が必要になる場合がある
🩵 まとめ:顎の成長コントロールができる“最も効果的な時期”。
「歯列の土台」を整えることで、将来の負担が大幅に減ります。
4. 永久歯列期(12歳〜)に始める場合(Ⅱ期治療)
中学生以降では、永久歯がほぼ生えそろい、
大人の矯正とほぼ同じ装置(ワイヤー・マウスピースなど)を使用します。
🟢 メリット
- 永久歯の位置を正確にコントロールできる
- 審美的な改善を重視できる(見た目の美しさ)
- 目立たない装置(マウスピース矯正など)の選択肢が増える
🔴 デメリット
- 顎の成長がほぼ終了しており、骨格的なズレは改善しにくい
- 抜歯が必要になるケースが増える
- 治療期間が長くなる傾向がある
🩵 まとめ:見た目を整える“仕上げ矯正”のタイミング。
Ⅰ期治療を経ていれば、短期間で美しい歯並びに仕上げられる。
5. 年齢別の矯正タイミング比較表
| 年齢 | 主な歯列状態 | おすすめの治療目的 | 主なメリット | 主な注意点 |
|---|---|---|---|---|
| 3〜6歳 | 乳歯列期 | 癖・口呼吸の改善 | 発達促進 | 長期フォロー必要 |
| 6〜10歳 | 混合歯列期 | 顎の成長誘導・土台作り | 非抜歯矯正の可能性UP | 定期管理が必要 |
| 12歳〜 | 永久歯列期 | 歯の位置調整・審美改善 | 装置の自由度 | 骨格改善が難しい |
6. こんなサインが出たら矯正相談を
- 前歯が反対に噛んでいる(反対咬合・受け口)
- 出っ歯・口が閉じにくい
- 歯の隙間が多い・重なっている
- 口呼吸や舌の突出癖がある
- よく口を開けている
これらのサインが見られる場合は、
一度、矯正歯科での成長期チェックを受けておくのがおすすめです。
7. まとめ:小児矯正のベストタイミングは「成長期を味方につけること」
小児矯正の目的は、単に歯を並べることではなく、
正しい顎の成長と呼吸・噛み合わせの発達を促すこと。
年齢によってアプローチは異なりますが、
「気になったら一度相談してみる」ことが、最善のタイミングです。
早期のチェックによって、
将来的な抜歯・外科矯正・咀嚼トラブルを防ぐことができます。
お子さまの成長を見守りながら、
“無理なく自然に”美しい歯並びを育てていきましょう。
矯正治療に関するお悩みは、カウンセリングにてご相談ください^^
参考文献
- 日本矯正歯科学会. 「小児矯正の考え方」 https://www.jos.gr.jp/
- 厚生労働省 e-ヘルスネット. 「子どもの歯の発達」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
- Proffit WR, Fields HW, Sarver DM. Contemporary Orthodontics, 6th ed., Elsevier, 2018.
- 山下喜久,「小児矯正治療の時期と顎成長」日矯歯誌, 2020; 79(3): 215–222.
- 日本小児歯科学会. 「口腔機能発達と歯列不正」, 2023.















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