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【歯列矯正】補綴物がたくさん入っていても矯正はできる?

医院ブログ 2025/11/16
名古屋西矯正歯科クリニック 平澤建太朗

― 被せ物・ブリッジ・インプラントがあっても歯は動くの? ―

「昔に治療した歯が多いけど、矯正はできるのかな?」
「ブリッジやインプラントがあると動かせないって聞いたけど…」

近年では成人や中高年の矯正希望者が増えていますが、
その中で多いのが“補綴物”が多い方のご相談です。

結論から言うと、被せ物や詰め物があっても矯正は可能です。
ただし、「どの歯がどんな状態か」「どの程度動かすのか」によって、治療方法や注意点が変わります。

今回は、補綴物が多い方が矯正をする際のポイントを詳しく解説します。


1. 「補綴物」とは?

補綴物とは、虫歯や歯の欠損を補うために装着する人工物のことです。
一般的には次のようなものを指します。

  • クラウン(被せ物)
  • インレー(詰め物)
  • ブリッジ
  • インプラント
  • 義歯(部分入れ歯)

これらが入っている場合でも、多くのケースで矯正治療は可能です。
ただし、「動かせる歯」と「動かせない歯」を正しく見極めることが重要です。

2. 補綴物があっても矯正できる理由

歯を動かす矯正の力は、歯根とその周囲の骨=歯槽骨に働きます。
つまり、被せ物や詰め物の部分自体が動くわけではなく、歯根が動くのです。

そのため、歯根が健康で歯周組織(歯ぐきや骨)がしっかりしていれば、
上部に補綴物が入っていても、問題なく歯を動かすことができます。

3. 補綴物の種類別・矯正の可否

● クラウン(被せ物)

→ 矯正可能です。
金属やセラミックなど素材に関わらず、根の状態が健康であれば歯を動かせます。
ただし、マウスピース矯正の場合は装着時に滑りやすくなることがあるため、
必要に応じて「アタッチメント」を付けて動かしやすくします。

● ブリッジ

→ 注意が必要です。
ブリッジは、複数の歯が連結されているため、「個々の歯を独立して動かす」ことができません。
矯正をする場合は、一度ブリッジを外してから矯正を行うことが一般的です。
矯正後に再度ブリッジを新しく作り直すケースが多いです。

● インプラント

→ インプラントは動かせません。
インプラントは骨と直接結合しているため、矯正力をかけても動かすことはできません。
ただし、周囲の天然歯は動かせるので、インプラントを「固定源」として利用することもあります。

また、矯正後の位置に合わせて「インプラントを後で埋入する」ケースも多いです。

● 義歯(入れ歯)

→ 原則、入れ歯を外して矯正を行います。
ただし、矯正中に一時的な咬み合わせ確保や見た目保持のために入れ歯を使うこともあります。
治療計画によっては、矯正後にインプラントやブリッジで最終補綴を行うことも。


4. マウスピース矯正は補綴歯にも対応できる?

近年のマウスピース矯正(インビザラインなど)は、補綴歯がある患者さんにも幅広く対応できるようになっています。
3Dスキャン技術により、補綴物の形状・角度・材質を正確に反映して設計できるため、
クラウンやインレーがあっても問題なく治療可能です。

ただし、

  • 被せ物の表面がツルツルしてアタッチメントが取れやすい
  • 古い補綴物が劣化している場合、動かす際に外れるリスクがある
    といった点には注意が必要です。

その場合は、矯正前に補綴物を作り直したり、仮の被せ物に変えてから始めることがあります。


5. 治療の流れ

1️⃣ 精密検査・診断
 X線・CT・スキャンで歯根と骨の状態、補綴物の位置を確認。

2️⃣ 動かせる歯・動かせない歯の判断
 インプラントや連結冠の位置を確認して、矯正計画を立てます。

3️⃣ 補綴物の調整・交換が必要な場合は先に実施
 動かしたい歯を独立させておくことが重要です。

4️⃣ 矯正開始(マウスピース or ワイヤー)
 アタッチメント・顎間ゴムなどを併用して動きをコントロール。

5️⃣ 矯正完了後に補綴再製
 最終的な歯並び・噛み合わせに合わせて新しい補綴物を作ります。


6. 注意点とリスク

  • 根の治療(根管治療)が不十分だと、動かす際に痛みや炎症が出ることがある
  • 歯周病がある場合は、先に歯周治療を完了しておく必要がある
  • インプラント周囲の骨吸収に注意(動かさないが力はかかる)
  • 補綴物が取れたり割れたりした場合は早急に歯科医院へ相談


7. まとめ:補綴物があっても矯正はあきらめない!

被せ物やブリッジ、インプラントが入っていても、
多くのケースで矯正は可能です。

ただし、「どの歯が動かせるか」を正確に判断し、
必要に応じて補綴物の作り替えや順序調整を行うことが成功のポイントです。

特にマウスピース矯正では、見た目を気にせず治療を進められるため、
補綴歯の多い成人矯正にも非常に適しています。

歯並びや噛み合わせを整えることで、補綴物の寿命も延び、
より長く健康な口腔環境を保つことができます。


歯並びでお悩みの方は、お気軽にご相談ください🌙

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参考文献

  1. 日本矯正歯科学会. 「成人矯正治療について」
     https://www.jos.gr.jp/public/public_05.html(閲覧日:2025年11月2日)
  2. Invisalign Official Website. “Can I get Invisalign if I have crowns or implants?”
     https://www.invisalign.com/(閲覧日:2025年11月2日)
  3. Lindauer SJ, Shoff RC. “Orthodontic treatment considerations in adults with restorative dentistry.” Semin Orthod.1998;4(1):48–54.
  4. 日本臨床矯正歯科医会. 「補綴物がある場合の矯正治療」
     https://www.jpao.jp/(閲覧日:2025年11月2日)

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