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抜歯窩が痛くてマウスピースがはめられない時はどうすればいい?

医院ブログ 2025/11/15
名古屋西矯正歯科クリニック 平澤建太朗

― 無理せず正しく対処するためのガイド ―

マウスピース矯正中に「抜歯」を行うケースは珍しくありません。
歯を動かすスペースを作るために、小臼歯(4番や5番)を抜くことが多いのですが、問題はその後です。

抜歯後しばらくは「痛くてマウスピースが入らない」「入れても違和感が強い」と感じる方が多くいらっしゃいます。
今回はそんなときの正しい対応方法と注意点を、わかりやすく解説します。


1. なぜ抜歯後にマウスピースが痛いのか?

抜歯をすると、歯を抜いた穴に一時的な「傷口」ができます。
この部分は骨や歯肉が治癒していく過程でとてもデリケートな状態です。

マウスピース矯正の場合、マウスピースの内側が歯ぐきに軽く当たることがあります。
抜歯直後に装着すると、以下のような問題が起こることがあります。

  • 抜歯窩に圧がかかって痛む
  • 傷口から出血する
  • マウスピースがきちんとフィットせず浮く
  • 感染(ドライソケット)を起こすリスクが上がる

つまり、「無理に入れる」ことがかえって治りを遅らせる原因にもなりかねません。

2. 抜歯後、マウスピースはいつから再開できる?

抜歯の種類や治り方には個人差がありますが、一般的な目安は以下の通りです。

状況装着再開の目安
通常の抜歯(小臼歯など)約3〜5日後
難抜歯(親知らず・埋伏歯など)約7〜10日後
出血・腫れが続く場合完全に治まるまで待つ

※痛みや腫れが強い場合は、無理に再開せず歯科医師の指示を待つことが最優先です。


3. 一時的にできる対応

① 前のステップのマウスピースを戻して装着する

抜歯前に使っていた一つ前のマウスピースを持っている場合、それを再び装着しておくのが最も安全です。
歯の位置をキープしつつ、治癒期間を待つことができます。

※少しきつくても問題ありませんが、痛みが強い場合は外して休む時間を作ってOKです。

② 抜歯窩を刺激しない工夫をする

  • 食事は柔らかいもの中心にする
  • 熱いもの・アルコール・強いうがいを避ける
  • 血餅(かさぶた状の血の塊)を守るようにケアする

これにより、傷口の治りが早くなり、マウスピース再開もスムーズになります。

③ 医院へ連絡して相談する

痛みが強く、マウスピースが入らない・浮くなどのトラブルがある場合は、自己判断せず担当医院に必ず連絡しましょう。

医院では以下のような対応を行うことがあります。

  • 傷口の確認・消毒
  • 一時的に装着を休止する期間の指示
  • 必要に応じて「再調整したマウスピース」の作製

特に、抜歯後の腫れや出血が強い場合はマウスピースの縁を削って調整することで、再開できるケースもあります。


4. 抜歯後の治療計画に影響はある?

数日〜1週間程度の装着中断であれば、治療計画に大きな影響はありません。
歯の動きは日単位で急に変わるものではないため、焦らず正しいタイミングで再開することが重要です。

ただし、長期間(2週間以上)装着できない場合は、歯が元の位置に戻り始める可能性があるため、
その場合は「再スキャン」や「マウスピースの再作製」が必要になることもあります。

5. まとめ:焦らず、回復を優先しよう

抜歯後にマウスピースが痛くて入らないのは、決して珍しいことではありません。
むしろ体がしっかり回復しようとしている証拠です。

無理に装着して痛みを悪化させるよりも、


1️⃣ 傷口を守る
2️⃣ 痛みが落ち着くまで休む
3️⃣ 歯科医師に確認してから再開する

この3つを守ることで、治療を安全に進めることができます。

矯正治療は「正確さ」と「継続」が鍵です。
痛みがあるときほど焦らず、担当医と相談しながら、最善のペースで理想の歯並びを目指しましょう。


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参考文献

  1. 日本矯正歯科学会. 「マウスピース型矯正装置(アライナー型矯正装置)について」
     https://www.jos.gr.jp/public/public_07.html(閲覧日:2025年11月2日)
  2. Invisalign(インビザライン)公式サイト. 「抜歯を伴うマウスピース矯正について」
     https://www.invisalign.co.jp/(閲覧日:2025年11月2日)
  3. 日本口腔外科学会. 「抜歯後の注意点」
     https://www.jsoms.or.jp/(閲覧日:2025年11月2日)
  4. Kravitz ND, et al. “Pain and discomfort associated with orthodontic tooth movement.” Am J Orthod Dentofacial Orthop. 2008;133(1): 1–7.

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