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IPRありで行う矯正治療と、なしで行う矯正治療の違いとは?
「IPRって必要?」「やらないとどうなるの?」
矯正相談の際に、「IPR(歯の削合)」という言葉を初めて聞いて驚かれる方は少なくありません。
「歯を削るって大丈夫なの?」
「IPRなしでも矯正はできるの?」
「どっちが自分に合っているの?」
このような疑問に対して、今回はIPRあり・なしの矯正治療の違い、メリット・デメリット、治療の仕上がりの差などを、
患者さんにもわかりやすく解説します。
目次
✅ まずIPRとは?

IPR(Interproximal Reduction)とは、歯と歯の間をわずかに削ってスペースを確保する処置のことです。
- 削るのは0.1〜0.3mm程度
- 歯の表面(エナメル質)だけを対象にするため、痛みはほとんどなし
- 麻酔なしで行える処置が一般的
IPRは、歯を抜かずに歯並びを整えたい場合によく用いられる手法です。
✅ IPRあり・なしでの矯正治療の主な違い
| 比較項目 | IPRありの矯正治療 | IPRなしの矯正治療 |
|---|---|---|
| スペースの作り方 | 歯と歯の間を削ってスペースを作る | 歯列の拡大 or 抜歯で対応 |
| 抜歯の可能性 | 抜歯せずに済むことが多い | 抜歯が必要になるケースも |
| 歯列の仕上がり | スリムで自然なアーチ | 拡がりすぎると違和感のある仕上がりに |
| ブラックトライアングル対策 | 歯の形を整えやすい | 歯の形がそのままなので隙間が残ることも |
| 処置の負担 | 少ない(短時間・痛み少) | 拡大量によっては歯周組織への負担が増すことも |
✅ IPRありのメリット
▶ 歯を抜かずに矯正できる可能性が高くなる
IPRによって全体で数mmのスペースを確保できるため、抜歯を回避できるケースが多くなります。
▶ 歯列をコンパクトに整えやすい
出っ歯や口元の突出感を抑えたい方にとって、自然に歯列を内側に入れることができます。
▶ ブラックトライアングルを防げる
歯と歯の間のすき間(ブラックトライアングル)をIPRで形を整えることで目立たなくできる場合があります。
✅ IPRをしないデメリットとは?
- 歯列の拡がりすぎにより、横顔が広がった印象になることがある
- ブラックトライアングルが目立ちやすくなる
- 口元が下がりにくく、口元のボリューム感が残る場合がある
- 歯列のバランスが崩れ、噛み合わせや歯周組織に負担がかかることも
✅ IPRなしの矯正でもOKなケースは?

IPRを行わなくても問題ないケースは、以下のような状態です:
- もともとスペースが十分ある
- 拡大や遠心移動(奥へ動かす)だけで並ぶ
- 軽度の歯並びの乱れで、部分矯正など短期的な治療
※ただし、無理な拡大や非現実的な動きを伴う計画は、後戻りや不自然な仕上がりの原因になることがあります。
✅ IPRの安全性は?歯を削って大丈夫?

IPRは、正しく行えば安全性の高い処置です。
- 削るのは歯の表面(エナメル質)のみ
- 厚みの余裕がある範囲で削るため、虫歯や知覚過敏のリスクは低い
- 歯科医師がミクロン単位で管理しながら行う
💡過剰なIPRはリスクとなるため、治療経験豊富な矯正歯科医の判断が重要です。
結局、どっちがいいの?
| あなたの希望 | 向いている処置 |
|---|---|
| 抜歯は避けたい | IPRありの非抜歯矯正 |
| 口元をスッキリさせたい | IPRで自然に引き込み |
| 歯列拡大は最小限にしたい | IPRを活用する設計 |
| 治療の負担を減らしたい | 簡易なIPR処置がおすすめ |
| 症例が重度/スペース不足が大きい | 抜歯や拡大+IPRも検討 |
IPRの有無はカウンセリング 精密検査で判断されます💁♂️

IPRをするかどうかは、あなたの歯の形や歯列の状態によって個別に決まるものです。
「IPRは絶対やりたくない」という方でも、治療の目的やメリットをしっかり理解した上で判断することが大切です。
当院でも、IPRの有無を含めて、あなたに最も適した矯正プランを丁寧にご提案しています。
気になることがあれば、ぜひお気軽にご相談ください。
参考文献・出典
- Proffit WR. Contemporary Orthodontics
- 日本矯正歯科学会「IPRの臨床的意義」
- Zachrisson BU. Interproximal enamel reduction: indications and limitations.
- Invisalign Doctor Resource (Align Technology, Inc.)











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