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歯列矯正で滑舌は良くなる?発音の改善と舌の位置の関係を歯科医が解説

医院ブログ 2025/09/19
名古屋西矯正歯科クリニック 平澤建太朗

「歯並びが悪いせいで滑舌が悪いのかも…」
「矯正したら発音も改善するって本当?」
このように、歯列矯正と滑舌の関係性に関心を持つ方は少なくありません。

特に、話すことを仕事にしている方(教師、アナウンサー、接客業など)や、就職活動やプレゼンの場面で「聞き取りやすい話し方」を意識する人にとって、滑舌は重要な要素です。

今回は、滑舌と歯並び・噛み合わせ・舌の動きの関係について、矯正歯科の視点からわかりやすく解説します。


滑舌が悪くなる原因とは?

滑舌が悪く感じるとき、必ずしも「舌の動きが悪い」わけではありません。
実は、歯の位置・顎の形・舌の癖・口腔内のスペースなど、複数の要因が関係しています。

滑舌が悪くなる主な原因:

  • 歯並びや噛み合わせの異常(出っ歯、受け口、開咬など)
  • 舌の癖(舌が前に出る、舌で歯を押す)
  • 舌の位置が低い(低位舌)
  • 顎の骨格や上顎の幅が狭い
  • 口呼吸による口腔機能の低下

中でも、「歯並びの乱れ」や「舌の位置の不安定さ」が原因で発音が不明瞭になるケースは意外と多く、矯正治療が改善につながることがあります。

歯並びが発音に与える影響とは?

発音には、舌・唇・歯・顎など複数の器官が協力して働いています。
その中でも、「歯並びと舌の関係」はとても重要です。

よくある歯並び別の滑舌への影響:

歯並びのタイプ発音の傾向特に影響が出やすい音
出っ歯(上顎前突)前歯に空気が当たりやすく、息漏れするサ行・スー音系(し、す、せ)
受け口(反対咬合)下顎が前に出るため、舌が前に出やすいタ行・ナ行・ラ行
開咬(前歯が閉じない)舌が前方に飛び出しやすいサ行・タ行・英語のth音
乱ぐい歯・叢生舌の動きが制限される全体的に不明瞭になりやすい

歯並びが悪いと、舌が本来のポジションを取れず、発音時に不自然な動きをすることがあります。
また、空気の通り道が狭くなったり、舌が歯にぶつかったりすることで、音が歪むのです。


歯列矯正によって滑舌が良くなる理由

✅ 噛み合わせが整うことで、舌の動きがスムーズに

矯正治療によって噛み合わせが整うと、舌が動くスペースが自然に広がり、発音時の安定感が増します。
とくに、開咬や受け口の改善によって、「舌の出し過ぎ」や「息漏れ」が軽減され、言葉がはっきりすることがあります。

✅ 舌の位置が安定する

矯正治療中に行われるMFT(口腔筋機能療法)を取り入れることで、舌が正しい位置に定着しやすくなります。

正しい舌の位置(安静時)とは?

  • 舌の先が上あごの「スポット」に触れている
  • 舌全体が上あごに軽くフィットしている

この舌位が安定すると、発音時も舌が滑らかに動きやすくなるのです。

✅ 口呼吸から鼻呼吸への改善も後押しに

矯正治療とMFTの効果で鼻呼吸が定着すると、口の中が潤い、舌や唇の動きもスムーズになります。
結果として、話しやすさや発音の明瞭さがアップすることも。


矯正で滑舌が「一時的に悪くなる」こともある?

注意点として、矯正治療中や装置装着直後は、滑舌が一時的に悪くなることがあります。

  • マウスピース矯正(インビザライン)→「サ行」「タ行」が言いづらく感じることがある
  • 装置が舌や唇に当たる→一時的な違和感や話しにくさ

これは数日〜数週間で慣れることが多く、発音にも順応していきます。

発音の悩みがある方は、まず相談を

滑舌や発音の不安がある方は、矯正相談の際に正直に伝えることが大切です。

矯正治療の目的は、単に「歯を整える」だけでなく、「口腔機能を改善し、より快適に生活すること」でもあります。

発音や滑舌の改善も、その一環として十分考慮に入れて治療計画が立てられます。


まとめ|矯正で滑舌は良くなる可能性がある

  • 歯並びや噛み合わせは発音に影響する
  • 矯正によって舌の動きが安定し、滑舌が改善することも
  • 開咬・出っ歯・受け口などは特に発音に関係しやすい
  • MFTとの併用が効果的
  • 一時的な違和感はあるが、慣れるケースがほとんど

話し方に自信が持てるようになるのは、矯正治療の大きなメリットのひとつです。
気になる方は、歯並びと発音の関係についても気軽に相談してみましょう。


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参考文献リスト

  • 日本矯正歯科学会「矯正治療における発音機能の改善について」
  • 日本口腔筋機能療法学会「MFTと発音機能の関係性」
  • 厚生労働省 e-ヘルスネット「噛み合わせと口腔機能」
  • Journal of Speech, Language, and Hearing Research
    “Speech articulation disorders associated with malocclusion”
  • American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics (AJO-DO)
    “Speech improvement following orthodontic treatment in adults with anterior open bite”
  • Orthodontic Waves(日本矯正歯科学会誌)
    「咬合異常と滑舌障害の臨床的関連性」

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