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【意外と知らない】矯正治療で歯が動く仕組みとは?
「なんで歯って動くの?」──矯正の素朴な疑問
矯正治療では、ブラケットやマウスピースを使って歯をゆっくり動かしていきますが、
「そもそも、あんなに固い歯がどうやって動くの?」と不思議に思ったことはありませんか?
実はこれ、歯と骨の関係・体の自然なしくみを利用しているんです。
この記事では、矯正治療で歯が動く“メカニズム”を、なるべく専門用語を避けてやさしく解説していきます!
目次
歯は“骨に埋まっている”けど、ちょっと動ける構造になっている
まず基本の構造から。

- 歯は、歯槽骨(しそうこつ)という骨の中に埋まっています。
- ただし、歯は直接骨にくっついているわけではありません。
- 実際は、「歯根膜(しこんまく)」というクッションのような膜によって、歯と骨の間にすき間があります。
この歯根膜のおかげで、歯にはわずかに動く余地があるのです。
矯正で歯が動く仕組み = 骨のリモデリング(再構築)
▶ ステップ1:歯に“持続的な力”をかける
ワイヤー矯正やマウスピース矯正では、歯に少しずつ弱い力をかけ続けるようになっています。
▶ ステップ2:圧がかかった側の骨が“溶ける”
歯に力が加わると、その方向に歯根膜が圧縮されます。
このとき、「破骨細胞(はこつさいぼう)」という細胞が働いて、圧がかかった側の骨を溶かし始めます。
▶ ステップ3:引っ張られた側に“新しい骨ができる”
一方で、引っ張られた側では「骨芽細胞(こつがさいぼう)」が働いて、新しい骨が作られます。
この「骨を溶かして、また作る」サイクルを利用して、歯が少しずつ移動するのです!
なぜ時間がかかるの?
骨のリモデリングは、ゆっくりとしか起きない体の自然な働きです。
だからこそ、矯正治療には数ヶ月〜数年かけて少しずつ動かす必要があるのです。
急激に動かそうとすると、
- 歯の根っこ(歯根)へのダメージ(=歯根吸収)
- 周囲の骨や歯ぐきへの負担
- 歯のぐらつきや痛み
といったリスクが高まるため、安全第一でコントロールされた力が大切です。
矯正装置によって力のかけ方が違う
◆ ワイヤー矯正

ワイヤーやゴムを使って、三次元的に細かく歯を動かすのが得意。力のかけ方が繊細で、複雑な歯並びにも対応可能です。
◆ マウスピース矯正(インビザラインなど)

透明なマウスピースを少しずつ形を変えながら装着。
段階的に歯を誘導することで動かします。見た目が自然で、軽い症例や部分矯正に人気。
歯が動いたあとは「保定」が必須!
歯を動かしたあと、そのままにしておくと、元の位置に戻ろうとする「後戻り」が起きます。
そのため、矯正後はリテーナー(保定装置)を使って、歯の位置を安定させる期間がとても重要になります。
まとめ
矯正治療は、「骨のリモデリング」という体の仕組みを活かして歯を少しずつ動かしていく治療です。
専門的な知識が必要だからこそ、信頼できる矯正歯科医のもとで、計画的に・安全に進めることが何より大切です。
「歯ってこんなふうに動いているんだ」と知ることで、不安が少しでも軽くなったら嬉しいです!
参考文献
日本矯正歯科学会|矯正歯科治療の基本知識
https://www.jos.gr.jp/contents/publication/knowledge.html
Krishnan V. et al. “Biological Mechanisms of Tooth Movement” The Angle Orthodontist (2009)
Proffit WR, Fields HW. “Contemporary Orthodontics” – Mosby Elsevier
厚生労働省 e-ヘルスネット「歯列矯正とは」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-04-001.html











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