歯の寿命と矯正治療の関係
「矯正治療って見た目のためにするものじゃないの?」
「歯の寿命と関係あるの?」
そう思っている方、意外と多いのではないでしょうか。
実は、歯の寿命を延ばすためにこそ、矯正治療が有効になるケースがあるということ、ご存じでしたか?
この記事では、「歯を1本でも多く、自分の歯で生涯を過ごしたい」と願うすべての方に向けて、矯正治療と歯の寿命との関係性について、詳しく、でもわかりやすく解説していきます。
目次
■ 歯の寿命ってどれくらい?

歯は毎日、食事や会話などでフル稼働している体の一部です。
その「寿命」は使い方次第で大きく変わります。
◎日本人の歯の平均寿命(調査データより)
- 自分の歯として使える本数:
70代で平均14本(※28本中) - 80歳で20本以上歯が残っている人の割合:
わずか約5割(※8020運動)
なぜこれほどまでに歯を失ってしまうのでしょうか?
その多くの原因は以下の通りです。
- むし歯や歯周病
- 噛み合わせの悪さによる過剰な負担
- 歯ぎしり・食いしばり
- 歯の位置の不正(重なり・傾き)
ここで注目したいのが、歯並びや噛み合わせが歯の寿命に影響を与えているという点です。
■ 矯正治療で「歯の寿命を延ばせる」って本当?
はい、本当です。
歯並びや噛み合わせを整えることにより、歯への負担を均等に分散させることができるため、歯を長く健康に保ちやすくなるのです。
では具体的に、どのようなメカニズムで歯の寿命が延びるのでしょうか?
■ 歯並びが悪いと起こりやすいこと
1. 一部の歯に負担が集中する
前歯ばかりで噛んでいたり、奥歯がきちんと噛み合っていなかったりすると、特定の歯に過剰な力がかかり続けることになります。
この力の偏りが、歯の破折(ひび割れ)やぐらつき、最終的な喪失につながるのです。
2. 歯磨きがしづらく、むし歯・歯周病のリスクが上がる
ガタガタの歯並びでは、歯ブラシの届かない部分が多くなります。その結果、プラーク(歯垢)がたまりやすくなり、むし歯や歯周病が進行しやすくなります。
3. 顎関節症や慢性的な頭痛・肩こりの原因にも
噛み合わせのバランスが悪いことで、顎に無理な動きが生じ、顎関節症や筋肉の緊張が起こることがあります。これが慢性の痛みにつながるケースも。
■ 矯正治療が歯を守る4つの理由

1. 噛み合わせを整えることで、力のバランスが良くなる
歯が正しい位置に並ぶと、上下の歯が均等に接触し、どこか一部だけに負担が集中することがなくなります。これにより、歯の摩耗や破折のリスクが減少します。
2. 歯磨きがしやすくなる
きれいに並んだ歯は、歯ブラシやフロスがしっかり届くようになるため、プラークの除去率が上がり、歯周病やむし歯の予防につながります。
3. 食事や発音が快適になり、口元の機能が高まる
噛む力が正しく伝わるようになるため、しっかりと物を噛めるようになり、栄養摂取や胃腸の働きにも良い影響を及ぼします。
4. 被せ物やインプラントの寿命にも影響
被せ物やインプラントも、噛み合わせが悪いと早く壊れるリスクがあります。矯正でかみ合わせを整えておくことで、これらの治療の“持ち”も良くなります。
■ 「大人になってからの矯正」も意味がある?
もちろんです!
近年では、30代・40代・50代から矯正を始める方が増えています。
とくに歯周病やインプラント治療を検討されている方にとって、矯正は予防にもリカバリーにも役立つ重要な治療になります。
✔ こんな方にこそ矯正はおすすめ
- これ以上歯を失いたくない
- 歯がすり減ってきた気がする
- 噛みにくい、顎が疲れる
- 将来インプラントやブリッジを考えている
■ 矯正治療は「見た目のため」だけじゃない
矯正治療というと、どうしても「見た目をきれいにするもの」という印象が先に立ちますが、本来は機能を整え、歯を守るための治療でもあるのです。
歯の寿命を延ばし、10年後・20年後の自分の口元に自信を持ちたい方にとって、矯正治療は将来への価値ある投資と言えるかもしれません。
■ まとめ
- 歯の寿命は、使い方と環境で大きく変わる
- 噛み合わせや歯並びの悪さは、歯に大きな負担をかける
- 矯正治療でその負担を減らし、歯の寿命を延ばすことができる
- 大人でも遅すぎることはない!健康的な未来のための選択肢として◎
■ 参考文献
- Proffit WR, Fields HW. Contemporary Orthodontics, 5th Edition.
- 厚生労働省「歯科疾患実態調査」令和元年
- 中野貴史 他. 「成人矯正と歯周病管理の関係」. 日本臨床矯正歯科医会誌, 2020
- 日本補綴歯科学会. 「かみ合わせと歯の寿命」公開資料











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