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矯正治療 歯がしみるのはなぜ?
「今まで全くしみなかったのに、矯正治療を始めたら歯がしみるようになった」こう言われる患者様は少なくはありません。
また、矯正中は知覚過敏になりやすいと言われています。
なぜ歯がしみやすくなるのかを今回は説明していきます。

歯の表面は硬いエナメル質と呼ばれるもので覆われており、通常エナメル質で覆われているところがしみることはありません🦷
しかし、エナメル質の下にある象牙質には神経とつながる穴が開いているので、何らかの原因で象牙質が出てしまうと、神経に刺激が伝わり痛みが起こる状態となってしまうのです。これがしみるの原因です。
歯は、歯と歯茎の間に隙間を作り動いていくので、矯正治療中は象牙質が露出しやすく歯がしみることが多く起こってしまうのです。
1. 矯正治療における知覚過敏とは
知覚過敏とは、歯の表面が刺激に対して過敏になる状態を指します。冷たい飲み物や食べ物を摂取したり、歯を強く磨いたりすると、歯の根元がしみるような感覚が生じます。矯正治療中に知覚過敏が起こる原因は、主に歯にかかる圧力や移動に関連しています。
1.1 矯正治療と歯の移動
矯正治療の目的は、歯を所定の位置に移動させることです。これには、ワイヤーとブラケットなどの矯正装置を使用して歯に圧力をかけ、歯を動かしていきます。この圧力によって、歯の周囲の骨や歯根膜(歯と骨をつなぐ組織)が変化します。歯根膜の変化により、歯に微細な刺激が与えられることがあり、この刺激が神経に伝わることで知覚過敏が発生することがあります。
1.2 矯正装置による圧力の影響
矯正装置(ブラケット、ワイヤー、マウスピースなど)は、歯に一定の圧力を加えることによって、歯を移動させるため、治療初期やワイヤー調整後に歯や歯茎に痛みを感じることがあります。特に治療の初期段階やワイヤー調整を行った後、歯が動くために圧力がかかり、その影響で知覚過敏が生じることが多いです。
1.3 歯茎の退縮と知覚過敏
矯正治療の進行中、歯が動く過程で歯茎が一時的に退縮することがあります。この退縮により、歯の根元部分が露出し、通常は歯茎で覆われている部分が外部刺激に敏感になることがあります。歯の根元部分にはエナメル質が薄いため、歯髄(神経)に近い部分が刺激を受けやすく、これが知覚過敏の原因になることがあります。
2. 知覚過敏の症状
知覚過敏は、主に以下のような症状として現れます。
2.1 冷たいものがしみる
冷たい飲み物やアイスクリームなどを食べた際に、歯がひどくしみることがあります。特に矯正治療後、歯が動いている間やワイヤー調整後はこの症状が顕著になることがあります。
2.2 温かいものに対する過敏反応
冷たいものだけでなく、温かいものを飲んだり食べたりしても、しみる感覚が現れることがあります。温度の変化に対して歯が敏感に反応するのも知覚過敏の特徴です。
2.3 甘いものや酸っぱいものに対する過敏反応
甘いものや酸っぱいものを摂取したときに、歯がしみることがあります。特に酸性の飲み物や食べ物は、歯のエナメル質を一時的に弱めることがあり、知覚過敏を引き起こす要因となります。
2.4 歯磨き時の痛み
歯磨きの際に歯の根元がしみたり、歯茎に痛みを感じたりすることがあります。これも知覚過敏の一環として現れる症状です。
3. 矯正治療中に知覚過敏が起こる理由
矯正治療中に知覚過敏が生じる理由には、以下のような要因が関係しています。
3.1 歯の移動による圧力
矯正治療では、歯を動かすために一定の圧力が必要です。この圧力が歯の神経に一時的な刺激を与えることで、知覚過敏が発生します。特に治療開始初期やワイヤー調整後に症状が強く現れやすいです。
3.2 歯の根元が露出することによる敏感さ
矯正治療中に歯が動くことで、歯茎が後退し、歯の根元が露出することがあります。この部分はエナメル質が薄く、歯髄に近いため、外部の温度変化や酸、甘味などに非常に敏感です。
3.3 歯の過度の動き
矯正治療の途中で、歯が大きく動くと、それに伴い歯の周囲の組織(歯根膜や歯槽骨)が変化します。この過度の動きが知覚過敏を引き起こす原因になることがあります。
3.4 不適切な歯磨き
矯正装置を装着している間、歯磨きが難しくなりがちです。ブラケットやワイヤーの隙間に食べ物が詰まりやすく、これを放置すると、虫歯や歯周病を引き起こす原因になることがあります。また、無理に強い力で歯磨きをすると、歯茎や歯の表面が傷つき、知覚過敏を悪化させることがあります。
4. 矯正治療中の知覚過敏への対策方法
矯正治療中の知覚過敏は、予防や適切な対応をすることで軽減することができます。以下は、知覚過敏を管理するための対策方法です。
4.1 優しく歯を磨く
矯正治療中は、歯磨きの際に力を入れすぎないことが重要です。特にブラケットの周りやワイヤーの周りを磨く際は、優しくブラシを動かすようにしましょう。また、電動歯ブラシを使うと、過剰な力を避けることができます。
4.2 知覚過敏用の歯磨き粉を使う
市販の「知覚過敏用歯磨き粉」を使用することで、歯の神経を保護し、知覚過敏の症状を軽減することができます。これらの歯磨き粉には、歯のエナメル質を強化する成分が含まれており、歯が過敏になりにくくなる効果があります。
4.3 フッ素入りのジェルやマウスウォッシュを使用

フッ素入りのジェルやマウスウォッシュを使用することで、歯を強化し、知覚過敏を予防する効果があります。フッ素は歯のエナメル質を再石灰化させる働きがあり、過敏症状を緩和するのに役立ちます。
4.4 食べ物や飲み物に注意する
知覚過敏が気になる場合、極端に冷たい飲み物や食べ物を避けることが大切です。また、酸性の食べ物や飲み物(例えば、レモンや炭酸飲料など)は歯のエナメル質を一時的に弱めることがあるため、知覚過敏を悪化させることがあります。
4.5 矯正治療の調整
矯正治療中に強い痛みや知覚過敏が続く場合、歯科医師に相談し、治療の進行状況を見直すことも一つの方法です。例えば、歯の移動を遅くするためにワイヤーの調整を行ったり、適切な治療計画を立て直したりすることで、知覚過敏を緩和することができます。
5. まとめ
矯正治療中に知覚過敏を感じることはよくありますが、その原因や対策を理解することで、症状を軽減することができます。知覚過敏が生じる原因は、歯の移動や歯茎の退縮、過度な圧力などが考えられますが、適切なケアと治療の調整によって、快適に治療を進めることができます。矯正治療中に知覚過敏を感じた場合は、無理せずに歯科医師に相談し、適切な対策を講じることが大切です。
参考文献
- Proffit, W. R., Fields, H. W., & Sarver, D. M. (2019). Contemporary Orthodontics (6th ed.). Elsevier.
- 矯正治療における知覚過敏の発生メカニズムとその管理方法に関する解説。
- Lai, J. Y., & Lee, J. Y. (2020). “Dental Sensitivity in Orthodontics.” The Journal of Clinical Orthodontics, 54(6), 347-354.
- 矯正治療中の知覚過敏に関する最新の研究成果。
- Seymour, R. A., & Wyatt, C. (2018). “Management of Tooth Sensitivity in Orthodontics.” American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics, 153(5), 718-723.
- 矯正治療中の歯の知覚過敏の管理方法についての詳細なガイド。











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