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サージェリーファーストについて
「サージェリーファースト」という言葉を聞いたことはありますか?
サージェリーファーストとは、主に出っ歯や受け口など【顎変形症】と呼ばれる症例の外科的治療において、術前に矯正治療は行わず、最初に手術を行います。その手術で上下顎を理想的な位置に修正し、そのあと矯正治療で歯を動かしていくという治療方法です。
矯正治療では骨格を変えることはできないため、最近では歯並びをよくするだけではなく骨格から変化させていく顎矯正術を受ける方が増えています。
目次
サージェリーファーストの治療の流れ
サージェリーファーストの治療は、以下の流れで進行します。

1 初期診断と計画立案
まず、歯科医師や矯正医が患者さんの歯並びや顎の位置、噛み合わせを評価します。CTスキャンやレントゲン写真を使って、顎の構造やズレの程度を正確に把握します。この段階で、矯正治療と手術を組み合わせた治療計画を立てます。
2 外科手術
次に、顎のズレを修正するための手術を行います。サージェリーファーストでは、歯を動かす前に顎の位置を矯正するため、手術が最初に行われます。これにより、噛み合わせや顎のバランスが整います。
手術では大きく2つに大別され
上顎骨と下顎骨といった顎骨全体を切って前後や上下、左右に移動させるパターンと
骨の一部分のみを切り取り、移動させる
という2パターンがあります。
3 矯正治療開始(マウスピースまたはブラケット)

ワイヤー矯正 
マウスピース矯正
手術後、顎の骨が安定し治療の基本的な骨構造が整った後に矯正治療が始まります。
この段階で、ブラケット治療あるいはインビザラインなどの治療法で歯を動かし、最終的に理想的な歯並びを作り上げていきます。
4 最終調整と保定治療
矯正治療が完了した後、歯並びが安定するように保定装置を使って、歯の位置を維持します。治療後のケアをしっかり行うことで、美しい歯並びと健康的な噛み合わせを維持することができます。
サージェリーファーストのメリットとは
1 短期間で矯正治療が進む
従来の矯正治療では、まず歯を動かす矯正治療を行い(1〜2年)その後に手術を行うため、治療全体に時間がかかります。
一方、サージェリーファーストでは、最初に顎の手術を行うことで、歯並びを整えるための基盤が早期に整います。これにより、その後の矯正治療がスムーズに進み、全体の治療期間を短縮することができます。
2 早期に顎のバランスが整う
顎のズレや噛み合わせに問題がある場合、サージェリーファーストを選択することで顎のバランスが早い段階で整います。顎の位置を修正することにより、顔の輪郭が改善され、見た目に大きな変化をもたらすことができます。これにより、治療開始時点で顎の問題を早期に解決することが可能です。
3 見た目の変化
個人差がありますが、矯正前に手術を行うことで顔貌のコンプレックスをはじめに解消することができます。そのため、矯正治療開始時には願望に変化があるため治療へのモチベーションも上がります。
4 健康的な噛み合わせを取り戻す
顎のズレや噛み合わせの問題は、長期的に見ると健康に悪影響を及ぼす可能性があります。サージェリーファーストでは、顎のバランスを早期に修正できるため、将来的な健康リスクを軽減することができます。
サージェリーファーストのデメリット
もちろん、サージェリーファーストにもデメリットが存在します。特に顎の手術が含まれるため、以下の点には注意が必要です。

1 手術のリスク
サージェリーファーストでは、顎の手術が必要なため、手術に伴うリスクや合併症が存在します。手術後には痛みや腫れが生じることもありますし、回復に一定の期間が必要です。
2 治療費が高額になることがある
手術が伴う治療であるため、サージェリーファーストは治療費が高額になることがあります。保険適用の有無や治療内容に応じて、費用の負担が大きくなる場合があるため、事前に費用について十分に確認しておくことが重要です。
3 治療期間が長期にわたることがある
手術後には回復期間が必要となるため、全体的な治療期間が長くなることがあります。手術後、顎が安定するまで時間がかかり、その後に矯正治療が始まるため、治療全体に対する忍耐が求められることがあります。
まとめ
サージェリーファーストは、顎のズレや噛み合わせに問題がある患者さんにとって有効な治療方法です。手術を早期に行い、その後に矯正治療を進めることで、治療期間を短縮したり、顎のバランスを整えることができます。
しかし、手術を伴うため、治療にはリスクや高額な費用がかかることもあります。治療を検討する際は、歯科医師と十分に相談し、自分の症状に合った最適な治療法を選ぶことが大切です。
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参考文献
- Proffit, W. R., Fields, H. W., & Sarver, D. M. (2019). Contemporary Orthodontics (6th ed.). St. Louis: Elsevier.
- 本書では、サージェリーファーストを含む現代の矯正治療法の詳細を説明しています。
- American Association of Orthodontists (AAO) (2021). “Surgical Orthodontics: When Is Surgery the Best Option?” aaoinfo.org.
- サージェリーファーストに関する基本的な情報と、その適応について解説しています。
- Melsen, B., & Agerbaek, M. (2018). “Orthognathic Surgery and Orthodontics: A New Perspective on Surgical Treatment.” The European Journal of Orthodontics, 40(2), 127-132.
- 外科的矯正治療(サージェリーファースト)に関する最新の研究と実施方法について説明しています。
- Kumar, A., & Hegde, S. (2017). “Surgical Orthodontic Treatment: Indications, Benefits, and Challenges.” Journal of Clinical Orthodontics, 51(5), 283-290.
- 外科的矯正治療(サージェリーファースト)の適応とメリット、治療過程に関する論文です。
- Bishara, S. E., & Suksathit, S. (2019). “Timing and Indications for Orthognathic Surgery in Orthodontic Treatment.” Orthodontic Clinics of North America, 22(1), 25-38.
- 矯正治療における顎手術のタイミングと適応について、詳しく説明しています。
- Huang, S., & Lin, C. (2020). “Surgical First Approach in Orthodontics: A Systematic Review.” The Angle Orthodontist, 90(6), 1001-1010.
- サージェリーファーストアプローチに関する系統的なレビューとその効果についての研究論文。











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