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日本の歯科矯正の価格破壊!?

医院ブログ 2019/11/26
ひらざわ矯正歯科クリニック 平澤建太朗

ビジネス雑誌でも取り上げられる「マウスピース矯正」の価格破壊。

どの医院でもしっかりとした治療が受けられると思ったら大間違い!!

本当に大間違いです。

なぜ違う?の疑問について詳しく書いてみます。

マウスピース矯正とは

ここ10年ぐらいの間に、ブラケット治療(ワイヤー治療)よりも患者数が多くなっているマウスピース矯正。マウスピース矯正にもいくつかあり、インビザライン、スマイルトゥルー、アソアライナーなどなどあります。

ワイヤーの代わりにマウスピースを装着することにより歯の移動が可能です。

今までのブラケット治療では月に一回力を加えるために来院が必要で、定期的にワイヤーを変え、調整日から2、3日ぐらいは押される感覚が強く、痛く、つらく感じることもあります。

食事後は、物が引っかかり歯ブラシが必要だったり、虫歯のリスクも高くなりやすいので、しっかりと歯ブラシの管理が必要です。

治療は成人の場合2、3年ほど(噛み合わせ、顎のずれ、協力ぐらいなど除く)かかりますので、その間、ブラケットをずっとつけなければいけません。

矯正治療をしたいけれど、目立つのがイヤという理由で踏み切れない、という患者様は多くいたと思います。

しかし、ここ10年ぐらいでマウスピースの治療効果が格段にあがり、当院でも10代後半から50代ぐらいの患者様はほとんどの方がマウスピースでの矯正治療を希望されます。

・目立たない装置希望

・虫歯になりにくい

・気軽にできそう

・来院回数が少なくて済む

・食事の際外せるので、なんでも食べれる

など、患者様はこのようにマウスピースの治療は思うと思います。

user comment….

どの医院で治療しても同じは間違い

ここが一番重要です。

歯科治療を受ける際日本とアメリカとでは違うところは多くあります。

例えば、日本には保険制度があり、多くの歯科治療は保険適用で行うことが出来ますが、アメリカの場合全て自費治療です。なので、歯に対する意識は格段に高いですし、歯科医院の中でも多くの科に分かれているで、治療内容によって行く歯科医院が違います。

日本はというと、歯科医院というところでほぼすべての治療を行います。

先生も何が得意分野なのか患者様にはわかりません。すべてを一人の先生がこなすところが多いです。

(当院では、抜歯、補綴、インプラントが必要な患者様には必ずスペシャリストの先生を紹介をさせていただきます。もちろん、患者様が他院を望む場合は別です。スペシャリストにはそれなりの理由があります。)

常に新しい技術を習得したり、勉強をし続けている先生はどのくらいいるでしょうか?

「矯正」も学生時代に軽く習いますが、その軽くの状態で患者様に矯正治療をする先生は多くいます。

ふと思います。

多くの歯科医院で矯正治療をされていますが、この先生、矯正を学んだんだろうか?

矯正歯科として治療にあたってる者としては、インビザラインを始め、マウスピース矯正治療は本当に奥が深いです。ワイヤー治療も私は猛勉強をし、だれにも負けない技術を習得したと思っています。どんな患者様でも治せる!と思って開業し、治療をしています。

開業してから数年し、マウスピース矯正というものが出来た、と知り、初めは半信半疑でマウスピースで歯が動くわけがない、と導入にはためらいをもっていました。

徐々にマウスピース矯正とはどういうものだろう、と、講習会に出席するようになり、治療は可能だ、歯はしっかりと動く、と思い始めてからは、手探りで始めた治療も必ず講習会や勉強会、学会に出席し、独自で治療を研究し、どんな患者様でも、ワイヤー矯正を同じように治療ができると自信を思っています。

多くの医院では、マウスピースでの矯正治療は「抜歯ケースは向かない」、「出っ歯の人は出来ない」「乱杭歯(ガタガタが強い方)は出来ない」と、お断りされる方も多くいます。

まだマウスピース矯正は発展途上ではありますので、ブラッシュアップのために講習会には必ず参加しています。

どの歯科医でもこのように技術習得のために時間を割いているのでしょうか?

答えはNOです。

その医師が簡単にマウスピース矯正を取り入れているのです。

それはなぜでしょう?

ワイヤー矯正よりも簡単に治療できると思えるのでしょう。

それだけだと思います。ワイヤー矯正ができない、矯正治療を行ったことがない医師でもマウスピース矯正は行うことが出来ます。

スキャンデータ、もしくは歯型を郵送すればマウスピースが送られてきます。

聞けばとても簡単ですよね。

なぜマウスピース矯正に手を出すか

先ほど説明した日本とアメリカの保険制度に大きな違いがあり、保険治療のみでの経営はかなり厳しくなっているのが現状です。なので、患者様が来たら、迷いなく自分が得意不得意関係なく自費治療をしてしまうのです。

そこで矯正治療希望の患者様が来院したら、ワイヤー矯正はできないけどマウスピース矯正なら簡単にできそう、と思うからではないでしょうか?

なぜマウスピース矯正は簡単にできそう、と思うのか?

自分で分析、診断をしなくてもいい、勝手にマウスピースの会社がやってくれると思っている

↑この分析、診断、本当に危険です

マウスピースの会社が行う治療計画は曖昧です。歯科医ではない人が行うので、担当する人によってもとてもムラがあります。簡単にボタン一つで発注なんてありえませんし、その治療計画を再度分析し、間違いがないか確認するまで数回やり取りが必須です。

そのマウスピースの会社がだしてきた治療計画がいいのか、どこを修正しなければならないのかも分からず、発注にGOを出している医院は言いたくありませんが多くあります。

診断がしっかりと出来ているか?

マウスピースを注文するのはとても簡単です。

ただ、マウスピースを作製しているのは歯科医でもありません。会社です。

患者様のデータを送れば、「こうやって治療したらどうですか?」というデータが送られてきます。

そのデータをしっかりと診断し、このように動かしたい、骨格を分析した結果とすり合わせをし、何度も患者様の口腔内を確認し、リクエストしているところがどのくらいあるでしょうか?

データが送られてきて、そのまま「発注」となれば、その状態にしか治療はなりませんし、ゴールはそれにしかなりません。

たぶん今、治療がうまくいかない、と困っている医院は多くあると思います。

その「見極め」を出来るか出来ないかで全然違う治療が待っているのです。

当院では必ず矯正治療を開始する患者様に精密検査を行っております。骨格に対して噛み合わせ、歯並び、横顔のラインの位置が理想的か。その診断を正確にすることが出来るか出来ないのかでも、矯正治療のゴールは違ってきますし、この分析すら行っていないところがほとんどです。

その「見極め」がそう簡単にできるようになるでしょうか?

適当に「はい、これで」って本当に恐ろしいと思います。

なぜ矯正治療費が安いのか?

もうお分かりですよね。

単に自費治療の患者様を多くとりたいだけだからです。

保険治療では1日に診る患者様に限界があります。

その決められた時間内で売り上げを上げようとすると、自費の患者様を取った方が単純に売り上げは上がりますよね。

自分で治療が出来るか出来ないかは関係ないと思います。

とにかく治療費を安くしてでも、自費の患者様さえ来院すればいいという考えです。

そこで治療費の価格破壊

治療費も本当に安いところもありますね。

なんでだろう?って思ったりしませんか?

同じインビザラインというマウスピースを使用するのにこんなに価格が違うなんて、、、。

矯正歯科で治療を受けるのであれば、そこまでの差は生まれないと思うのですが、インビザラインでも破格の価格を提示している歯科医院は多くあります。安ければ安いほどいい、という患者様はゴールはどこに設定しているのでしょう?

当院にも月に数人、以前から他院に行っているけれども、、、という方が相談にきます。

なんで抜歯してしまったんだろう?

どう動かしたいんだろう?

ゴールはどこなんだろう?

話しを聞くと、診断も、マウスピースの説明さえもないといます。

診断や分析、矯正について知識があまりないと治りません。

だから安くするしかないのではないでしょうか?

実際日本以外のアジア圏ではインビザラインの治療は通常のワイヤー矯正の2倍が通常の治療費です。

ですから150万から200万が相場の治療費です。

マウスピースの会社は日本も同じように価格設定をしたいと考えているのですが、このように「価格破壊」をする歯科医院が多くできていないのが現状です。

当院は厳しくお伝えします

当院は治療に関しては厳しくお伝えする方だと思います。

しっかりと患者様に協力をして頂かないと、成功する治療も成功しなくなるからです。

マウスピース矯正なら尚更です。

・装着時間をしっかりと守る。

・加速装置は毎日使用する

・舌癖がある方は毎日意識し位置確認する

これだけですが、守れない方もいます。

加速装置も当院では使用するので、マウスピースの使用時間が短い、加速装置を使用していないのに、マウスピースの交換をしてしまう、など、もってのほかです。早く終わりたい気持ちは十分に分かりますが、地道な作業をしてこその近道です。

当院ではカウンセリング時にマウスピース矯正と、ワイヤー矯正、どちらが向いているかどうかはカウンセラーがライフスタイルや、一日の勤務状況など患者様とお話ししながらアドバイスさせて頂きます。全員にマウスピースの治療を進めるわけではありません。

患者様の口腔内を見ればマウスピース、顎間ゴム、取り外し式の装置をどれぐらい使用しているかどうかは分かります。

いいよ、いいよ、それでいいよで進めるわけにはいかないのです。好きなように使用してもらったら大変なことが待っています。

必ず治療は終わらなければなりませんし、治療の成功は患者様の協力度合いによっても変わってきます。

患者様に適切な治療を

「安い」「手軽にできる」

など、そのうたい文句が一番危険です。

安いには理由があります。

インビザラインは自己管理が必要なうえ、マウスピースの見極めも重要です。フィットしなくなった場合は、再度マウスピースを作成する必要があります。

マウスピースを渡して終わり、ということは絶対にありません。

しっかりとした治療を提供できる矯正歯科で治療を受けることが最善です。患者様側からしたら、どうやって見極めればいいか分からない。

パッと見では分からないことばかりです。

「賢い患者になること」その通りですよね。

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