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【矯正治療】正中のずれが治らない人の特徴と、治すために必要なステップとは?
矯正相談で非常に多い悩みのひとつが
「正中(顔の真ん中の線)がずれている」
というお悩みです。
矯正治療をしても、
「上下の正中が最後までピタッと合わない」
「以前よりは良くなったけど、まだ少しずれて見える」
というケースも実際にあります。
ではなぜ、正中のずれは“治りにくい人と治りやすい人”が分かれるのでしょうか?
この記事では、
- 正中のずれが治らない人の特徴
- 治すために必要なステップ
- 治療が難しくなる理由
を、専門的な内容を患者さん向けにやさしくまとめました。
「正中ズレ」で悩んでいる方にとって、治療の理解が深まり、今後の治療のヒントになる内容です。
目次
■ 1. 正中とは何?ずれるとどう見える?

正中とは、
顔の真ん中を縦に走る中心線
と
上・下の前歯の真ん中の位置
がどれくらい一致しているかを示すラインです。
正中がずれていると
- 口元全体が片側に寄って見える
- 笑った時に歯列が傾いて見える
- 顔のゆがみが強調される
- 左右で噛みやすさが変わる
などの症状が出ることがあります。
見た目の印象だけでなく、噛み合わせ・顎関節に影響することもあるため、矯正治療で整えるべき重要なポイントです。
■ 2. 正中が治らない人に共通する特徴
正中がずれる原因はひとつではなく、複数の要因が複雑に絡み合っています。
以下は“治りにくい人に多い共通点”です。
◆ ① 骨格そのものが左右非対称
正中ズレの最大の原因が骨格の非対称です。
- 下顎が左か右に曲がっている
- 上顎の幅や高さが左右で違う
- 顔の骨が成長段階で左右差が生じた
このような骨格由来のズレは、歯だけを動かす矯正治療では完全に一致させることが難しい場合があります。
→ 歯並びの問題だけの人に比べ治りにくい。
◆ ② 奥歯の位置が左右でずれている
正中のズレは“前歯”がずれているのではなく、
奥歯の位置がずれていることがほとんどです。
奥歯が片側だけ前に出ている・後ろに下がっている場合、
上だけ、下だけ動かしても治りません。
→ 治療が長くなりやすいポイント。
◆ ③ 片側噛みが習慣化している

長年の
- 片側だけで噛む癖
- 柔らかい食事中心の生活
- 歯が痛くて片側でしか噛めなかった
これらが原因で、筋肉のバランスが崩れ、顎が片側に流れてしまう人が多くいます。
→ 歯を動かしても習慣で戻ってしまう。
◆ ④ 舌癖・口呼吸がある
正中ズレは「舌の置き場所」に影響されることがあります。
- 舌が右に寄りがち
- 低位舌(下がった位置)
- 口呼吸による左右の筋バランスの崩れ
これらは歯列に継続的な圧をかけるため、右だけ前に出る・左だけ広がる等のズレを作ります。
◆ ⑤ 顎間ゴムの協力度が低い
正中のズレを改善するには、
上と下の歯を引っ張り合って調整する顎間ゴムが必須です。
しかし、
- 面倒で忘れる
- 痛みで続かない
- 就寝中だけしている
などで協力度が低いと、正中は動きません。
◆ ⑥ 噛み合わせの高さの問題
噛み合わせの“高さ”が左右で違う人は、
顎が高いほうに流れるため正中が治りにくくなります。
これは治療の中でも難しい部類に入ります。
■ 3. 正中を整えるために必要なステップ
正中は、ただ前歯を動かせば整うものではありません。
正しく治すためには、次のような段階的アプローチが必要です。
◆ STEP1:原因を「歯列」と「骨格」に分けて診断する
まず、正中ズレの“根本原因”を特定します。
- 歯のズレによるものか
- 骨格(上顎・下顎)の非対称か
- 噛み癖・姿勢の問題があるのか
- 舌の使い方に特徴があるのか
原因によって治療法は大きく変わります。
◆ STEP2:奥歯を左右バランスよく整える
正中を治すための“土台”は奥歯です。
前歯だけ動かしても改善せず、
まず奥歯の位置を揃えることが治療の核心。
- 片側だけ前後移動
- 奥歯の高さの調整
- スクリューを使った左右の移動
などが行われます。
◆ STEP3:ゴムかけで上下の真ん中を合わせる
奥歯の土台が整ったら、
顎間ゴムで前歯の正中を微調整していきます。
ここで重要なのが「協力度」。
1日10~20時間しっかり使用しないと、ほとんど動きません。
◆ STEP4:舌と口周りの筋肉トレーニング
正中がズレる人の多くに、
舌癖・口呼吸・片側噛みが隠れています。
動かしても、
“悪い癖が残っていると戻る”
ため、MFT(口腔筋機能療法)で改善します。
例:
- 舌の正しい位置(上あごに吸いつく感覚)
- 唇の閉じる力のトレーニング
- 片側噛みを直す習慣化
◆ STEP5:噛み合わせの高さを微調整
難しいケースでは、
- ワイヤー矯正で微調整
- スクリューで片側だけ圧下
- 噛みしめ癖の改善
など、噛み合わせの高さを揃えていきます。
ここが揃うと、正中は一気に安定します。
■ 4. 正中が完全に一致しない場合もある?

結論を言うと、
骨格性の強い左右非対称の場合、歯の矯正だけでは
“完全一致”まで目指すことが難しいケースも存在します。
ただし、
- 見た目の不調和
- 噛み合わせの不便
- 顎の負担
は大幅に改善可能で、
実用的・審美的にはほとんど気にならないレベルまで整えることは十分可能です。
“完全一致を目標にすべきか”
“自然で調和の取れたラインを目指すべきか”
は、担当医とよく相談するのが大切です。
■ 5. 正中を整えたい人が今日からできること
✔ 片側だけで噛まない
左右バランスよく噛む習慣を。
✔ 舌の位置を「上あご」に置く
無意識の習慣改善が非常に重要。
✔ 鼻呼吸を意識する
口呼吸はズレの大きな原因。
✔ ゴムかけの時間を守る
これが最も治療を左右します。
✔ 装置の異常はすぐに連絡
左右のバランスが崩れる前に対処できます
■ まとめ
正中のずれは、
前歯だけでなく、骨格・奥歯・噛み癖・筋肉バランスが深く関わる問題です。
そのため、
- 治りやすい人
- 治りにくい人
が存在します。
しかし、適切なステップを踏めば、
見た目も噛み合わせも整った状態に近づけることは可能です。
正中が気になる方は、ただ歯並びを見るのではなく、
「なぜ正中がずれているのか?」
という原因を丁寧に分析してくれる矯正医に相談するのがおすすめです。
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参考文献
・Proffit WR, Contemporary Orthodontics(正中偏位・骨格非対称の診断)
・Graber LW, Orthodontics: Current Principles and Techniques
・日本矯正歯科学会:非対称症例の治療指針











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