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八重歯は治したほうがいい?メリット・デメリットをやさしく説明

医院ブログ 2025/12/02
名古屋西矯正歯科クリニック 平澤建太朗

日本では昔から「八重歯=かわいい」というイメージがあり、タレントやアイドルでもチャームポイントとして人気があります。
しかし歯科の視点から見ると、八重歯は単なる見た目の問題だけではなく、虫歯・歯周病・噛み合わせなど、長期的にさまざまな影響を与えることがあります。

「可愛いからこのままでいいのかな?」
「八重歯って矯正したほうがいい?」
と悩む方に向けて、この記事ではメリット・デメリットをわかりやすく解説します。


◆ 1. 八重歯(犬歯)ってどんな状態?

八重歯とは、上の犬歯(糸切り歯)が歯列の外側に生えてしまう状態を指します。
犬歯は根が長く、噛み合わせと顔の形に関係する重要な歯です。

犬歯が飛び出してしまう原因には、

  • 顎が小さく、歯が並ぶスペースが足りない
  • 乳歯が遅くまで残っていた
  • 遺伝的に歯が大きい
  • 舌癖、口呼吸などの影響

などが挙げられます。

海外では“八重歯=デメリット”と見られることが多く、日本特有の文化と言えるかもしれません。

◆ 2. 八重歯が「かわいい」と言われる理由

八重歯がかわいいと言われる背景には、以下のような文化的・心理的な要素があります。

● ① 若さ・元気さの象徴に見える

少し不揃いな歯並びが「子どもっぽくて明るい印象」に見えることがあります。

● ② 個性として魅力的に映る

歯列が整っている人が多い海外とは違い、日本は“少し崩れた可愛さ”を魅力とする文化が根強いです。

● ③ 表情に特徴が出る

笑った時にチラッと見える八重歯が「キュート」だと感じる人も。

ただし、これはあくまで一時的な印象
将来的な健康面を考えると、決してメリットばかりではありません。


◆ 3. 八重歯のデメリット

実際に歯科医が八重歯の矯正を勧めるケースが多いのは、健康面のリスクが大きいからです。

● ① 虫歯や歯周病になりやすい

八重歯の位置は歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりがち。
その結果、

  • 虫歯
  • 歯肉炎
  • 歯周病

のリスクが大幅に上がります。

特に犬歯は長持ちさせたい歯なので、ここがトラブルを起こすと影響が大きいです。

● ② 歯ぐきが下がりやすい

歯列の外側に飛び出しているため、歯ぐきの薄い部分に位置しやすく、
歯ぐきが下がる(歯肉退縮) リスクがあります。

これが進むと、

  • 見た目が老ける
  • 知覚過敏
  • 歯の寿命が短くなる

などの問題につながります。

● ③ 顔立ちに影響することがある

犬歯は顔の立体感に関わる歯です。
突出していると、

  • 横顔がもこっとして見える
  • 唇が押し出される
  • 口が閉じにくくなる

という審美面の影響があります。

● ④ 噛み合わせや発音に影響することも

犬歯が正しい位置にないと、顎の動きが安定しにくく、
顎関節の負担や噛み合わせのズレが起きる場合があります。

● ⑤ 年齢を重ねるほど“かわいく見えにくくなる”

若いうちはチャームポイントでも、
30代以降は「口元がゴツゴツして見える」「老けて見える」という声が増えてきます。


◆ 4. 八重歯を矯正するメリット

デメリットを改善する意味でも、八重歯の矯正には大きな利点があります。

● ① 歯磨きがしやすく、虫歯予防になる

歯列に収まることで、汚れが落としやすくなります。
将来的な歯の寿命を伸ばせる大きなメリットです。

● ② 横顔や笑顔の印象がすっきりする

犬歯の位置が整うと、

  • 唇が閉じやすくなる
  • ほうれい線が出にくくなる
  • 口元のもこっと感が減る

など、自然な美しさが出ます。

● ③ 噛み合わせが整う

犬歯は「ガイド」と言われ、下顎の動きを誘導する重要な役割があります。
正しい位置にあることで、顎関節への負担も軽減できます。

● ④ 歯ぐきの下がり予防につながる

歯列の外にある犬歯は歯ぐきが薄く、後々トラブルになりやすい部分。
早めに整えておくとリスク軽減になります。

● ⑤ 大人になっても印象が整いやすい

八重歯の“可愛さ”は年齢とともに薄れていきますが、整った歯並びはどの年代でも清潔感として評価されます。


◆ 5. 八重歯を“残したい”という選択はアリ?

「八重歯が好きだからあえて残したい」
という患者さんもいます。

結論、見た目として残すこと自体は可能です。
ただし、以下の条件付きです。

● ◎ 汚れがたまりにくい状態に管理できる

ワックスや電動ブラシなど、ケアを丁寧に行う必要があります。

● ◎ 歯ぐきが極端に薄くない

歯肉退縮リスクが高ければ避けたほうが無難です。

● ◎ 噛み合わせに問題がない

犬歯誘導が欠けると顎関節に負担がかかります。


◆ 6. 八重歯の矯正方法

八重歯治療で用いられる主な矯正の種類を簡単に紹介します。

● ワイヤー矯正

歯を並べる力が強く、ガタガタが大きいケースにも対応可能。

● マウスピース矯正

軽度〜中等度の八重歯なら対応できることが多い。
見た目に抵抗がある人に人気。

● 抜歯矯正

顎が小さい場合、スペース確保のために第一小臼歯を抜歯するケースがあります。


◆ 7. 八重歯は矯正すべき?まとめ

最後に、矯正するべきか迷っている方へのまとめです。

🔵 矯正をおすすめするケース

  • 歯磨きがしにくい
  • 虫歯や歯ぐきの炎症がある
  • 口元が気になる
  • 歯ぐきが薄く下がりやすい
  • 噛み合わせが悪い

🟡 見た目は個性として残すのもアリ

  • 健康面のリスクが少ない
  • ケアが十分できる
  • 本人のこだわりが強い

ただし、長期的に見ると矯正するメリットは非常に大きい歯のひとつです。


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参考文献

  • 日本矯正歯科学会「歯並びと咬み合わせ」
  • 厚生労働省 歯科口腔保健資料
  • Proffit WR, Contemporary Orthodontics, Elsevier

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