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八重歯は治したほうがいい?メリット・デメリットをやさしく説明
日本では昔から「八重歯=かわいい」というイメージがあり、タレントやアイドルでもチャームポイントとして人気があります。
しかし歯科の視点から見ると、八重歯は単なる見た目の問題だけではなく、虫歯・歯周病・噛み合わせなど、長期的にさまざまな影響を与えることがあります。
「可愛いからこのままでいいのかな?」
「八重歯って矯正したほうがいい?」
と悩む方に向けて、この記事ではメリット・デメリットをわかりやすく解説します。
目次
◆ 1. 八重歯(犬歯)ってどんな状態?

八重歯とは、上の犬歯(糸切り歯)が歯列の外側に生えてしまう状態を指します。
犬歯は根が長く、噛み合わせと顔の形に関係する重要な歯です。
犬歯が飛び出してしまう原因には、
- 顎が小さく、歯が並ぶスペースが足りない
- 乳歯が遅くまで残っていた
- 遺伝的に歯が大きい
- 舌癖、口呼吸などの影響
などが挙げられます。
海外では“八重歯=デメリット”と見られることが多く、日本特有の文化と言えるかもしれません。
◆ 2. 八重歯が「かわいい」と言われる理由
八重歯がかわいいと言われる背景には、以下のような文化的・心理的な要素があります。
● ① 若さ・元気さの象徴に見える
少し不揃いな歯並びが「子どもっぽくて明るい印象」に見えることがあります。
● ② 個性として魅力的に映る
歯列が整っている人が多い海外とは違い、日本は“少し崩れた可愛さ”を魅力とする文化が根強いです。
● ③ 表情に特徴が出る
笑った時にチラッと見える八重歯が「キュート」だと感じる人も。
ただし、これはあくまで一時的な印象。
将来的な健康面を考えると、決してメリットばかりではありません。
◆ 3. 八重歯のデメリット
実際に歯科医が八重歯の矯正を勧めるケースが多いのは、健康面のリスクが大きいからです。
● ① 虫歯や歯周病になりやすい
八重歯の位置は歯ブラシが届きにくく、汚れが溜まりがち。
その結果、
- 虫歯
- 歯肉炎
- 歯周病
のリスクが大幅に上がります。
特に犬歯は長持ちさせたい歯なので、ここがトラブルを起こすと影響が大きいです。
● ② 歯ぐきが下がりやすい

歯列の外側に飛び出しているため、歯ぐきの薄い部分に位置しやすく、
歯ぐきが下がる(歯肉退縮) リスクがあります。
これが進むと、
- 見た目が老ける
- 知覚過敏
- 歯の寿命が短くなる
などの問題につながります。
● ③ 顔立ちに影響することがある
犬歯は顔の立体感に関わる歯です。
突出していると、
- 横顔がもこっとして見える
- 唇が押し出される
- 口が閉じにくくなる
という審美面の影響があります。
● ④ 噛み合わせや発音に影響することも

犬歯が正しい位置にないと、顎の動きが安定しにくく、
顎関節の負担や噛み合わせのズレが起きる場合があります。
● ⑤ 年齢を重ねるほど“かわいく見えにくくなる”
若いうちはチャームポイントでも、
30代以降は「口元がゴツゴツして見える」「老けて見える」という声が増えてきます。
◆ 4. 八重歯を矯正するメリット
デメリットを改善する意味でも、八重歯の矯正には大きな利点があります。
● ① 歯磨きがしやすく、虫歯予防になる
歯列に収まることで、汚れが落としやすくなります。
将来的な歯の寿命を伸ばせる大きなメリットです。
● ② 横顔や笑顔の印象がすっきりする
犬歯の位置が整うと、
- 唇が閉じやすくなる
- ほうれい線が出にくくなる
- 口元のもこっと感が減る
など、自然な美しさが出ます。
● ③ 噛み合わせが整う
犬歯は「ガイド」と言われ、下顎の動きを誘導する重要な役割があります。
正しい位置にあることで、顎関節への負担も軽減できます。
● ④ 歯ぐきの下がり予防につながる
歯列の外にある犬歯は歯ぐきが薄く、後々トラブルになりやすい部分。
早めに整えておくとリスク軽減になります。
● ⑤ 大人になっても印象が整いやすい

八重歯の“可愛さ”は年齢とともに薄れていきますが、整った歯並びはどの年代でも清潔感として評価されます。
◆ 5. 八重歯を“残したい”という選択はアリ?
「八重歯が好きだからあえて残したい」
という患者さんもいます。
結論、見た目として残すこと自体は可能です。
ただし、以下の条件付きです。
● ◎ 汚れがたまりにくい状態に管理できる
ワックスや電動ブラシなど、ケアを丁寧に行う必要があります。
● ◎ 歯ぐきが極端に薄くない
歯肉退縮リスクが高ければ避けたほうが無難です。
● ◎ 噛み合わせに問題がない
犬歯誘導が欠けると顎関節に負担がかかります。
◆ 6. 八重歯の矯正方法
八重歯治療で用いられる主な矯正の種類を簡単に紹介します。
● ワイヤー矯正
歯を並べる力が強く、ガタガタが大きいケースにも対応可能。
● マウスピース矯正
軽度〜中等度の八重歯なら対応できることが多い。
見た目に抵抗がある人に人気。
● 抜歯矯正
顎が小さい場合、スペース確保のために第一小臼歯を抜歯するケースがあります。
◆ 7. 八重歯は矯正すべき?まとめ
最後に、矯正するべきか迷っている方へのまとめです。
🔵 矯正をおすすめするケース
- 歯磨きがしにくい
- 虫歯や歯ぐきの炎症がある
- 口元が気になる
- 歯ぐきが薄く下がりやすい
- 噛み合わせが悪い
🟡 見た目は個性として残すのもアリ
- 健康面のリスクが少ない
- ケアが十分できる
- 本人のこだわりが強い
ただし、長期的に見ると矯正するメリットは非常に大きい歯のひとつです。
参考文献
- 日本矯正歯科学会「歯並びと咬み合わせ」
- 厚生労働省 歯科口腔保健資料
- Proffit WR, Contemporary Orthodontics, Elsevier











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