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【矯正治療】歯並びは良くなったけれど上手く噛めない?その理由とは
矯正治療を終えて、鏡に映る自分の歯並びが整っているのを見たとき、多くの人は満足感と喜びを感じるでしょう。しかし一方で、「見た目はきれいになったけど、なぜかうまく噛めない」「食事のときに違和感がある」といった声も少なくありません。
このような現象は決して珍しいことではなく、矯正後に起こりうる「咬合=噛み合わせ」の問題に起因する場合があります。この記事では、その原因や対処法について詳しく解説していきます。
目次
噛めないと感じる主な理由
1. 見た目と噛み合わせは別物
矯正治療では、歯を正しい位置に並べて「見た目」を美しく整えることが大きな目的の一つです。
しかし、「正しい歯並び」と「良い咬み合わせ」は必ずしも一致しません。写真のように、正面から見るときれいに並んでいたとしても、噛み合わせはうまく噛んでいないことも。
上下の歯の噛み合い方が不適切だと、どれだけ歯列が整っていても、効率よく食べ物を咀嚼できなかったり、顎に負担がかかったりすることがあります。
2. 矯正後の噛み合わせの調整不足
矯正装置を外した時点では、歯はまだ安定しておらず、噛み合わせも微妙にずれていることがあります。
調整が不十分なままだと、「噛みづらさ」や「片側だけで噛んでしまう」といった問題が生じる可能性があります。また、歯を動かす過程で奥歯の噛み合わせが甘くなる(開咬ぎみになる)ことも。
3. 顎関節や筋肉の違和感

矯正治療中、歯の位置が変わると、それに伴って顎の動きや筋肉の使い方も変化します。この変化に身体が慣れていない段階では、「噛みにくい」「顎が疲れる」「音が鳴る」といった違和感が出ることがあります。
特に、元々顎関節症を持っている方や噛み癖があった方は、矯正後に顎のバランスが崩れやすくなります。
4. 舌や口周りの筋肉の使い方のクセ
歯並びが改善されても、舌の動かし方や頬・唇の筋肉の使い方のクセが残っていると、うまく噛めない原因になります。特に、舌で歯を押す癖(舌突出癖)がある場合、矯正後の歯並びを乱すだけでなく、噛み合わせにも悪影響を及ぼす可能性があります。
5. 「慣れ」の問題
矯正治療を長期間続けた人ほど、治療中の歯の状態や噛み方に体が適応してしまっていることがあります。治療後に歯が本来あるべき位置に戻っても、「以前と違って違和感がある」と感じるのは、正しい噛み合わせに慣れていないだけということもあるのです。多くの場合、数週間から数ヶ月で自然に慣れていきます。
対処法とアドバイス
■ 歯科医に相談する

まず最初にすべきことは、矯正を担当した歯科医師に違和感を正直に伝えることです。必要であれば噛み合わせの再調整(咬合調整)を行うこともできます。また、歯の位置が再びずれてしまっている場合には、マウスピース型リテーナーの再作成や再矯正が必要になるケースもあります。
■ リテーナーの着用を怠らない

保定装置(リテーナー)の使用をサボっていると、歯がわずかに動いて噛み合わせに影響を及ぼす可能性があります。就寝中の使用を忘れがちな方は、再度その重要性を見直してみてください。
■ 咀嚼のリハビリをする
「しっかり噛む」練習を意識的に行うことで、噛み方の再学習ができます。例えば、以下のような方法がおすすめです:
- 左右均等に噛む意識を持つ
- 柔らかすぎる食事ばかりではなく、ある程度の噛みごたえのある食材を摂る
- 鏡を見ながら咀嚼して、顎の動きを確認する
■ 舌や口周りの筋トレ(MFT)
「口腔筋機能療法」というトレーニング法があります。舌や唇、頬の筋肉を正しく使えるようにすることで、噛み合わせの安定や再矯正の予防にも効果があります。矯正歯科や一部の一般歯科では、このトレーニング指導を行っているところもあります。
放っておくとどうなる?
「なんとなく噛みにくい」「そのうち慣れるかも」と軽く考えて放置してしまうと、次のようなリスクがあります
- 歯のすり減り(咬耗)
- 顎関節症の発症・悪化
- 再矯正が必要になる
- 消化不良(咀嚼不足による)
口の中の小さな違和感も、放っておけば大きな問題に発展する可能性があるため、違和感を感じた時点で早めの相談が大切です。
まとめ:見た目だけじゃない「噛める機能」を大切に
矯正治療は「見た目を良くする」ことが注目されがちですが、本来の目的は「正しい噛み合わせを実現して、健康な口腔機能を取り戻すこと」にあります。
歯並びが整ったのに噛みにくいと感じるのは、必ず何らかの原因があります。そして多くの場合、その違和感は調整・訓練・時間によって改善が可能です。
見た目だけでなく、「しっかり噛めて、しっかり話せて、口腔内のバランスが整っている」ことこそが、矯正治療の本当のゴールです。違和感を感じたら我慢せず、ぜひ専門家に相談してみてください。
無料カウンセリングのお問い合わせはLINEからも可能です☺️
参考文献
- 日本矯正歯科学会『矯正治療と咬合の安定について』https://www.jos.gr.jp/
- Proffit, W.R., Fields, H.W., & Sarver, D.M. (2013). Contemporary Orthodontics. Mosby.
- 清水勇人 (2020). 『やさしくわかる矯正歯科』医歯薬出版.
- American Association of Orthodontists. “Why Can’t I Bite Right After Braces?” https://www.aaoinfo.org/













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