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【矯正で歯の根っこが短くなる?】“歯根吸収”のリスクと対策
目次
「矯正で歯の根っこが短くなる」ってホント?
「矯正をすると、歯の根が短くなることがあるらしい…」
そんな話を聞いて、不安になっていませんか?
結論からいうと、
👉 矯正治療で歯の根が短くなる「歯根吸収」は、一定の確率で起こり得ます。
でも、正しい診断と管理のもとで治療すれば、深刻な問題になるケースはごくわずかです。
この記事では、
- なぜ歯根が短くなるのか
- どれくらいの確率で起きるのか
- 対策や予防法はあるのか
をわかりやすく解説します!
歯の根が短くなる=「歯根吸収」とは?
歯根吸収とは、歯の根(歯根)が徐々に溶けて短くなる現象のこと。
矯正では、歯を動かすときに骨のリモデリング(再構築)が起きますが、
この過程でごく一部のケースで、歯の根の先端が吸収されてしまうことがあります。
📸 レントゲン写真で発見されることが多く、本人が痛みや自覚症状を感じることはほとんどありません。
なぜ歯根吸収が起こるの?

主な原因は以下の通りです:
✅ 1. 強すぎる力で歯を動かした場合
矯正の力が強すぎたり、急激に動かしすぎると、歯根に負担がかかって吸収が起きやすくなります。
✅ 2. 遺伝的・体質的な要因
一部の人は、もともと歯根吸収が起こりやすい体質を持っていることがあります。
✅ 3. 治療期間が長期化した場合
長期間にわたって歯に力をかけ続けると、歯根に負担が蓄積しやすくなります。
どのくらいの確率で起きるの?
- 軽度の歯根吸収(1~2mm程度)は、矯正を受けた患者さんの約50%程度に見られるとされています。
- ただし、機能に影響するような重度の吸収は2~5%以下と非常に少数です。
出典:
▶ 日本矯正歯科学会・臨床統計データ
▶ American Journal of Orthodontics and Dentofacial Orthopedics
歯根が短くなるとどうなるの?
歯根がある程度短くなっても、すぐに抜ける・グラグラするということは基本的にありません。
ただし、
- 将来的に歯周病や強い衝撃に弱くなる可能性がある
- 特に前歯など負担がかかりやすい部位は要注意
そのため、事前の診断と治療中の経過観察がとても大切です。
歯根吸収を防ぐためにできること
🩺 1. 治療前にレントゲン(CT)で歯根の形をチェック

もともと歯根が短い人や、先の尖った「円錐状歯根」は吸収リスクが高めです。
🦷 2. 適切な力で、計画的に歯を動かす
「短期間で一気に治したい!」と思っても、無理な動かし方はNG。
熟練した矯正医の判断と調整が重要です。
📆 3. 定期的な経過観察を怠らない
矯正中に定期的なレントゲン撮影を行うことで、早期に吸収を発見・対処できます。
まとめ|歯根吸収は「ゼロではないが、怖がりすぎなくてOK」
矯正治療で歯根が短くなることは一定の確率で起こり得ますが、
しっかりと診断・管理された治療であれば、健康な歯として一生使えるケースが大多数です。
気になる方は、カウンセリング時に以下を相談してみてください:
- 自分の歯根の形や長さの特徴
- 吸収リスクの程度
- どのくらいの頻度でレントゲンチェックを行うか
不安を減らし、納得して治療を始めるために、信頼できる矯正専門医に相談しましょう。
参考文献
- 日本矯正歯科学会|矯正治療と歯根吸収について
https://www.jos.gr.jp/ - Krishnan V, Davidovitch Z. “On a path to unfolding the biological mechanisms of orthodontic tooth movement.” Journal of Dental Research (2009).
- Lund H, Grondahl K, Hansen K, Grondahl HG. “Apical root resorption during orthodontic treatment. A prospective study using cone beam CT.” Angle Orthodontist (2012).
- 厚生労働省 e-ヘルスネット「歯列矯正」
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/teeth/h-04-001.html - 日本成人矯正歯科学会|治療中に起こる可能性のあること
https://www.jaao.jp/











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